注目の論文
600年前の熱帯降雨の移動
Nature Geoscience
2009年6月29日
Tropical rain shift 600 years ago
小氷期の間、環熱帯降雨帯の太平洋の部分は、現在の位置よりも最大500 km南にあった。Nature Geoscience(電子版)に発表される研究は、この結果が、(アフリカ、アジアおよび南米で多くの人が最低限の農業を維持するために依存している)熱帯降雨のパターンは地球の放射収支の小さな変化に極めて敏感に応答していることを示している。
J Sachsらは、東部、中央部、および西部赤道太平洋のそれぞれ3か所の島で、その島の雨期と乾期を決めるために、湖の堆積物について微生物学的、分子、および同位体を用いた分析を行った。これら3か所で湿度の高い時期と決定された期間は、熱帯収束帯(最も活発な降雨が起こっている場所)は、紀元1400~1850年の間には現在よりもかなり南にあったことを示唆している。この時期には、おそらく太陽放射が低かったために、ヨーロッパの気温は比較的寒冷であった。
doi: 10.1038/ngeo554
注目の論文
-
10月21日
気候変動:米国の都市における肉の消費がもたらすカーボンコストNature Climate Change
-
10月15日
惑星科学:火星における氷と炎の物語Nature Communications
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月7日
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment