注目の論文
パタゴニア氷河期の塵輸送機械
Nature Geoscience
2009年3月30日
Patagonian glacial-age dust machine
パタゴニア氷河が2万1,000年前に急に後退したことは、南極大気中への塵の供給が止まったことを意味する、とNature Geoscience(電子版)の論文が示している。現在まで、南極氷コア中の塵が急激に減少した原因は、それがこれまでに分かっている南極の気温や降水量などの変動よりも先に起きているので、良く分かっていなかった。
D Sugdenらは、パタゴニアのティエラ・デル・フエゴ地域で過去8万年間の氷河変動を放射性同位体を用いて再現した。彼等は、氷河が、南極氷コア中の塵の量が減少しているのと同じ時期である2万1,000年前に後退を始めたことを発見した。研究チームは、氷河が最も広がっていたときには、氷河は塵として動きうる地域に堆積物を輸送し、南極にまで届いていたと考えている。氷河が後退したときには、その代わりに堆積物はパタゴニアの湖に閉じこめられたのである。
doi: 10.1038/ngeo474
注目の論文
-
9月17日
気候変動:温暖化が熱帯地域の土壌からの二酸化炭素排出を増加させるNature Communications
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月11日
惑星科学:火星の泥岩に残る特徴が古代の環境条件を解明する手がかりとなるNature
-
9月11日
惑星科学:地球近傍小惑星リュウグウの母天体には長い流体の歴史が存在するNature
-
9月11日
環境:2023年のカナダ山火事の長期的な影響を評価するNature
-
9月11日
気候変動:主要な炭素排出源が熱波の強度と発生確率に影響を及ぼしているNature