注目の論文
深海の危険
Nature Geoscience
2009年3月23日
Dangers in the deep
海洋性の藻により生成される神経毒は、カリフォルニア沖の表層水から流出して、海洋深部に広がっている、とNature Geoscience(電子版)の研究が示している。
海洋上部におけるPseudo-nitzschia(羽状目珪藻)の大量発生は、世界中の沿岸生態系を脅かす可能性のある神経毒であるドーモイ酸を危険なレベルまで高濃度で生成する。C Benitez-Nelsonらは、大量のこの毒が、カリフォルニア海岸の深部まで沈み込み、深海の食物網に侵入することを示している。ある場合には、ドーモイ酸の濃度は米国連邦政府の基準の5倍以上にもなっている。
ドーモイ酸は人間では貝毒の中毒で記憶障害を引き起こし、1998年に400頭以上のカリフォルニアアシカが死んだように、海洋哺乳動物に大量死をもたらす出来事と関連がある。大規模なPseudo-nitzschiaの大量発生はまた、海岸の閉鎖と米国西部の貝類の養殖業に深刻な被害をもたらす。
doi: 10.1038/ngeo472
注目の論文
-
12月16日
気候変動:氷河の消失は21世紀半ばにピークに達すると予測されるNature Climate Change
-
12月12日
海洋生態学:シャチはイルカを追跡してサケを狩るScientific Reports
-
12月11日
考古学:意図的な火起こしの初期の証拠Nature
-
12月10日
考古学:ローマの建築技術に関する明確な証拠Nature Communications
-
12月9日
Nature's 10:2025年の科学に影響を与えた10人Nature
-
12月5日
環境科学:火山活動が中世ヨーロッパにペストをもたらしたかもしれないCommunications Earth & Environment
