注目の論文
海洋循環の低速化によるニューヨークの海水面上昇
Nature Geoscience
2009年3月16日
New York sea level to rise owing to slowing ocean circulation
米国北東岸沿い、特にニューヨーク近傍の地域的な海水面は、21世紀の間に全球の海水面上昇の約2倍の速度で上昇する、とNature Geoscience(電子版)に報告される。この特定の地域における海水面上昇は、最新の気候モデルの見積もりによれば、北大西洋海洋循環が遅くなることが原因である。
J Yinらは、さまざまな温室効果ガス放出のシナリオに基づいた一連の全球気候モデルから得られた気候予測を解析した。彼らは、北大西洋の海水面は、予測される子午面循環速度の低下に適合することを発見した。彼らのモデル予測は、2100年までのニューヨークにおける海水面上昇のうちの15~23 cmが北大西洋循環の変化が原因であるとしており、一方、この地域における海水面上昇の総量は36~51 cmである。
この研究は米国北東岸が海洋循環変動による将来の海水面変化の影響をもっとも受けやすい地域の1つであることを示している。
doi: 10.1038/ngeo462
注目の論文
-
12月11日
気候変動:世界的な観光産業による二酸化炭素排出量は増加し、不平等であるNature Communications
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature
-
12月5日
気候:GenCastは既存の気象予報を凌駕するNature
-
11月28日
古生物学:糞便の科学捜査が恐竜の台頭を記録するNature
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature