注目の論文
寒い季節のオゾン生成
Nature Geoscience
2009年1月19日
Cold season ozone production
昨年の冬、米国内で異常に高濃度のオゾンが地表付近で観測されたが、その原因が異常な気象条件だったことを明らかにした研究論文がNature Geoscience(電子版)に掲載される。人間の健康に対する大きな脅威となっている地表でのオゾン生成は、これまで、夏の現象だと考えられていた。
今回R Schnellらは、大気中の化学パラメータの記録と気象データセットを用いて、昨年2月に米国ワイオミング州の天然ガス田付近で極端に高レベルの地表オゾンが観測された原因を解明した。すなわち、天然ガス田から放出されたオゾン先駆物質が、強い温度逆転によって地表付近に閉じ込められ、行き場がなくなって蓄積したために、大量のオゾンが生成されたのだった。温度逆転とは、暖かい空気の層が冷たい空気の層の上に横たわり、蓋のように作用することをいう。
Schnellらは、冬季にオゾン生成が起こる地域がワイオミング以外にも存在する可能性があるとする見方を示して、警告している。
doi: 10.1038/ngeo415
注目の論文
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月7日
考古学:デジタル地図によりローマ帝国の道路網が10万キロメートル増えるScientific Data
-
11月5日
気候:極端な強風がタービンの限界を超えて動かす可能性があるNature Communications
-
11月4日
地球科学:南極氷河の急速な後退Nature Geoscience
-
10月30日
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
-
10月30日
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
