注目の論文
気候変動の早期緩和による生態系被害の抑制
Nature Climate Change
2013年5月13日
Damage limitation
このまま有効な温室効果ガス排出削減策が実施されなければ、植物の55%と動物の35%について、気候の適した生息域(生息空間)が2080年代までに少なくとも半減するという予測が公表された。そして、炭素排出量を迅速かつ厳重に抑制することで、生息域の減少を大幅に抑えて、生物種が気候変動に適応するために数十年間の時間的余裕を確保できることが明らかになった。この結果を報告する論文が、今週オンライン版に掲載される。
今回、Rachel Warrenたちは、さまざまな気候シナリオに対する生息域の気候的変化に関する全球的解析を行い、広範囲に生息する、ありふれた生物種の間でも、炭素排出量の無制限な増加による大規模な生息域の縮小が予想されることを明らかにした。その一方で、排出削減策を実施することで、炭素排出量の増加が2016年に止まれば、生息域の気候的減少を60%抑えることが可能で、2030年に止まれば、40%抑えることが可能とされる。
doi: 10.1038/nclimate1887
注目の論文
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature