注目の論文
地下氷河湖からの放出に伴う南極氷河の速い流出速度
Nature Geoscience
2008年11月17日
Fast flow in Antarctic outlet glacier during drainage of subglacial lakes (N&V)
東南極から流出する大規模な氷河の流速が、2つの地下氷河湖の洪水に応答して約10%増加した、とNature Geoscience(電子版)の論文が報告している。この加速は、2005年12月~2007年2月の14カ月にわたり大陸から海洋に失われる氷が増加したことに関連している。
L Stearnsらは、東南極のビルド氷河に沿った48年間にわたる氷の速度の記録と人工衛星による氷の表面高度を結びつけて、2005年12月~2007年2月の間に氷の流速が顕著に増加したことを発見した。これは、約200 km上流で氷の表面高度が急速に変化した時期と一致しており、彼らは2つの地下氷河湖で流入と放出があったと解釈している。
関連するNews & Viewsで、H A Frickerは次のように書いている。「この極めて重要な論文は、水と氷の流れのパズルを解くためにこれまで失われていたピースを与えてくれる。それは、地下氷河湖の洪水が氷河を加速させるという直接的証拠である」。
doi: 10.1038/ngeo356
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