注目の論文
貧血性の土壌
Nature Geoscience
2008年11月3日
Anaemic soils
窒素の堆積量が増加することは、鉄が溶けやすくなり植物の生長が抑制されて、土壌の酸性化を有毒なレベルにまで高める、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。
工業と農業に関連した人工的な窒素の堆積が長期間にわたり継続したことで、スロバキアの西タトラ山地における土壌の酸性度が高くなった。W Bowmanらは、その地域の窒素量が増加したことが高山帯にある草原地帯の土壌へ溶解した鉄が流れ込むことの引き金になったことを明らかにしている。このような鉄の流出は、鉱山から酸性鉱物が流出した後の土壌にみられる条件と類似した極度の土壌酸性化を示唆している。
この結果に基づいて著者らは、過去50年間におけるヨーロッパと北米における高濃度の窒素堆積物によって、多くの土壌が新たな酸性化の状況におかれており、カルシウムやアルミニウムではなく、むしろ鉄が障害になりうると警告している。
doi: 10.1038/ngeo339
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