注目の論文
景観の火災による健康上のリスク
Nature Climate Change
2012年8月13日
Health risks of landscape fires
エルニーニョ年には景観の火災発生率が高くなり、大気中の微粒子物質の濃度が目標値を超える日数が200日増え、成人の死亡率が約2%上昇することが明らかになった。この新たな知見は、世界の公衆衛生にとって重要な意義がある。こうした研究結果を報告する論文が、今週、Nature Climate Changeに掲載される。
今回、M Marlierたちは、人工衛星の観測データに基づいた火災発生件数の推定値と大気モデルを用いて、1997~2006年の東南アジアでの地域的な土地火災が健康に及ぼした影響を定量化した。その結果、その期間中のエルニーニョ年の火災による放出によって、世界人口の最大11%が、世界保健機関の中間目標値を超える大気中の微粒子物質とオゾンに繰り返しさらされたことが明らかになった。Marlierたちは、地域的な森林破壊と環境劣化を減らし、それによって土地利用の変化による森林火災を低減することで、一般市民の健康が改善されるという考え方を示している。
doi: 10.1038/nclimate1658
注目の論文
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment
-
9月25日
生態学:米国河川における魚類の生物多様性の変化Nature
-
9月25日
地質学:サントリーニ島で最近発生した地震は共通のマグマによって説明できるかもしれないNature
-
9月24日
古生物学:新種の肉食恐竜が白亜紀後期のアルゼンチンを支配していたNature Communications
-
9月24日
気候変動:2100年までに世界的に深刻な水不足が発生するかもしれないNature Communications