古生物学:初期のクモの近縁種が系統樹にその名を刻む
Nature
2026年4月2日
Palaeontology: Early spider relative claws its way into the family tree
5億年前の化石で、クモ、サソリ、およびダニの非常に初期の近縁種にあたる生物が、鋏角類(chelicerate)と呼ばれるこの節足動物群がどのように進化したかについての手がかりを提供している。米国ユタ州で発見されたこの化石には、明確な鋏が見られ、鋏角類におけるこの特徴が確認された最古級の例の一つである。この発見を報告する論文が、Nature に掲載される。
現生の鋏角類には、サソリ、ダニ、マダニ、ウミグモ、およびカブトガニが含まれ、摂食器官の一部として前方に一対の鋏(鋏角)を持つことで区別される。これらの動物の化石記録は、約5億年に及ぶが、初期の標本にはこの鋏の明確な痕跡が欠けていた。そのため、鋏角類がいつ初めて進化したのか、また、初期の形態がどのようなものだったのかは不明であった。
Rudy Lerosey-AubrilとJavier Ortega-Hernández(ハーバード大学〔米国〕)は、明確な鋏角を持つ軟体節足動物の新種を記載し、これをMegachelicerax cousteauiと命名した。この標本は、米国ユタ州ウェストデザート(West Desert)にあるウィーラー層(Wheeler Formation)から発見された5億年前(カンブリア紀)のもので、この年代は現時点で知られる最古の鋏角類の一つに相当する。この生物の頭部、体、および四肢の大部分は、良好な状態で保存されており、特に頭盾の下から一対の鋏が伸びているのが確認できる。著者らは、Megacheliceraxが鋏角類の幹群に属し、カンブリア期の、爪を持たなかった可能性のある同グループの生物と、カンブリア期以降に現れた爪を持つ近縁種をつなぐ存在である可能性を提唱している。著者らは、今回の発見が、カンブリア期に捕食性の鋏角類がすでに存在していたことを示す証拠となり、その爪の起源を解明する手がかりとなる、と結論づけている。
- Article
- Published: 01 April 2026
Lerosey-Aubril, R., Ortega-Hernández, J. A chelicera-bearing arthropod reveals the Cambrian origin of chelicerates. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-10284-2
News & Views: Pincer movement: fossil pushes origins of chelicerate arthropods back to the Cambrian period
https://www.nature.com/articles/d41586-026-00807-2
doi: 10.1038/s41586-026-10284-2
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