注目の論文
環境科学:オゾン層回復のモニタリング
Nature
2022年8月25日
Environmental sciences: Monitoring ozone recovery
オゾン層の回復を監視し、オゾン層破壊物質の違法排出や未規制物質の排出がオゾン層に及ぼす影響を評価するための新しい測定基準を記述した論文が、Nature に掲載される。この新しい測定基準は、政策立案者や科学者が特定のオゾン層破壊物質の影響を評価する際に役立つ新しいツールとなる可能性がある。
オゾン層の保護を目的とする国際条約であるモントリオール議定書は、オゾン層破壊物質の大気中濃度を低下させ、我々は、オゾン層の回復という新たな段階に入った。オゾン層の回復、モントリオール議定書に違反する行為や他の物質の排出がオゾン層にどのような影響を及ぼすのかを明確にするためには、これらのモニタリングのための測定基準が必要だ。しかし、従来の測定基準は、あいまいさが残っており、新しい測定基準が必要になっている。
今回、John Pyleたちは、新たな物質の排出がオゾン層に及ぼす影響を示すために、統合型のオゾン層破壊の測定基準を提案している。この測定基準は、新たな物質の排出強度と大気中又は成層圏における滞留時間を考慮に入れ、オゾン層が特定の物質の排出からどのように回復し得るかについての情報も得られ、以前の測定基準よりも計算が簡単になる。
Pyleたちは、大気中の寿命が分かっているガスの場合、この統合型のオゾン層破壊の測定基準が、どのような排出シナリオについても、オゾン層に及ぼす影響と政策目標にとっての重要性を評価する簡便な手段になるという見解を示している。
doi: 10.1038/s41586-022-04968-8
注目の論文
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature