注目の論文
【ネットワーク】タクシーの運行台数を絞って都市部でのスムースな移動を図る
Nature
2018年5月24日
Networks: Cab cull makes city slicker
米国ニューヨーク市内でのタクシーの運行台数を今より最大40%削減しても十分事足りる可能性のあることを報告する論文が、今週掲載される。この新知見は、今後、ネットワーク化された自動運転車の運用が一般的になれば、より重要性を増す可能性がある。
情報技術と通信技術は、都市部での移動に関する新たなソリューション(例えば、オンデマンド車両)を生み出している。ところが、利用者に遅延を生じないように、あるいは相乗りをさせずにタクシーを運用するために、どのような規模と方法が最適か、という基本的な問題は解決されていない。
今回、Mohammad Vazifehたちの研究グループは、ネットワークを利用した方法を開発して、この問題を分析した。この方法では、輸送ネットワーク全体で利用者の相乗りをせず、個々の車両が共通運用される。Vazifehたちは、ニューヨーク市内における年間1億5000万回のタクシー乗車の記録を用いてこのやり方を検証し、タクシーがどのように乗車されるのかが事前に分かっていなくてもタクシーの運行台数を減らせる可能性のあることを示した。Vazifehたちの計算によれば、運行台数を現在より40%削減しても同じサービスを提供できる可能性があるとされる。また、このやり方を過去のデータではなく、リアルタイムのデータでも機能するように修正したところ、タクシーの運行台数を約30%削減しても、タクシー乗車需要の90%以上に対応できることが明らかになった。
doi: 10.1038/s41586-018-0095-1
注目の論文
-
10月30日
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
-
10月30日
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
10月28日
生態学:人間の移動はすべての陸上動物を上回っているNature Ecology & Evolution
-
10月23日
生態学:一部の石サンゴが気候変動を生き延びる可能性Nature
-
10月23日
素粒子物理学:チームワークがニュートリノの挙動の理解を深めるNature
-
10月23日
環境:リチウムイオン電池リサイクルのための国際的な枠組みNature
