注目の論文
【天文学】ハウメアに環があった
Nature
2017年10月12日
Astronomy: Haumea has a ring to it
海王星より遠くに位置する準惑星ハウメアの周りに環があることを報告する論文が、今週掲載される。この発見で、海王星以遠の領域の研究に新たな道が開かれた。
太陽系に存在し、海王星より長い太陽からの平均距離の軌道を公転する準惑星は4つ知られているが、その1つであるハウメアは非常に細長く、高速回転している点が変わっており、その大きさと形状、アルベド(反射率)、密度は、他の準惑星ほど十分にわかっていない。巨大惑星以外で初めて環系の発見された天体は、ケンタウルス族の小惑星の1つであるカリクローだが、ハウメアは、ケンタウルス族天体以外で初めて環系を持つ天体であることが分かった。
Jose Luis Ortizたちの研究グループは、ハウメアの軌道がURAT1 533-182543という星の軌道と交差すると予測して、2017年1月21日に12台の望遠鏡と10か所の研究所による観測を行う手配をした。その結果、ハウメアの密度(最大で約1885キログラム/立方メートル)、形状(楕円体)、アルベド(0.51)、大気(なし)が判明した。
Ortizたちは、ハウメアの環とハウメアの赤道とハウメアの外衛星ヒイアカの軌道が同一平面内にあることも発見した。ハウメアの環は、公転周期がハウメアの自転周期の3倍で、半径は約2287キロメートル、幅は70キロメートルだ。
doi: 10.1038/nature24051
注目の論文
-
9月17日
気候変動:温暖化が熱帯地域の土壌からの二酸化炭素排出を増加させるNature Communications
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月11日
惑星科学:火星の泥岩に残る特徴が古代の環境条件を解明する手がかりとなるNature
-
9月11日
惑星科学:地球近傍小惑星リュウグウの母天体には長い流体の歴史が存在するNature
-
9月11日
環境:2023年のカナダ山火事の長期的な影響を評価するNature
-
9月11日
気候変動:主要な炭素排出源が熱波の強度と発生確率に影響を及ぼしているNature