注目の論文
北極域の炭素貯蔵庫の定量化
Nature Geoscience
2008年8月25日
Quantifying the Arctic carbon pool
北アメリカ北極域の土壌は、これまで考えられていたよりも多量の有機炭素を含んでいる、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。高緯度地方の土壌に蓄えられた炭素は、気候変動に応答してCO2やメタンとして大気中に放出される可能性がある。
C-L Pingらは、土壌の有機炭素の測定を用いて北アメリカ北極域全体の土壌に蓄えられた有機炭素の量を見積もった。彼らは、広い範囲の地表で少なくとも深さ1 mまで試料を採取し、この地域の炭素貯蔵庫について包括的な評価を提供している。これまでの北極域の炭素貯蔵庫に対する見積もりは、主に北極域の外側で土壌のごく表層に対して行われた測定に基づいたものであった。
関連したNews and Viewsで、C Beerは次のように述べている。「Pingらは炭素存在度総量を計算したが、それは大気中にある現在の炭素量のおよそ6分の1に相当する。この炭素の一部でも放出することになれば、地球の気候には重要な影響を与えることになるだろう」。
doi: 10.1038/ngeo284
注目の論文
-
10月21日
気候変動:米国の都市における肉の消費がもたらすカーボンコストNature Climate Change
-
10月15日
惑星科学:火星における氷と炎の物語Nature Communications
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月7日
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment