注目の論文
一般市民の誤解に重大な意味が
Nature Climate Change
2011年11月21日
Misperceptions that matter
気候変動に関して科学者間で大きな意見の対立があると考えている人は、地球温暖化が発生していることにあまり確信を持てず、気候変動対策に対する支持も弱くなる傾向が明らかになった。この知見は、一般社会への気候科学の普及にとって重大な影響を与える可能性がある。その詳細を報告する論文がNature Climate Change(電子版)に掲載される。 かなりの割合の米国民は、気候変動について、気候学者の間で大きく意見が分かれていると考えているが、この認識は、科学界の認識とはかなり異なっている。今回、E Maibachたちは、米国の代表サンプルを用いた調査を行い、この誤解が、気候変動に関する考え方と気候変動対策への支持の強さにとって重要な意味を持っているかどうかを調べた。 科学者間で気候変動に関する意見の対立があるという誤解と気候変動対策に対する支持の程度は強く相関していた。これは、「多くの米国民は、科学者の見解についての自らの認識に基づいて気候変動に関する考え方を形成するのであって、自分のもともとの考え方に適合するように情報を処理していない」という学説に沿った結果となった。今回の研究は、科学者の見解に関する一般市民の理解を深めるための活動が必要になっている可能性を示唆している。
doi: 10.1038/nclimate1295
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