注目の論文
【環境】国際貿易を介したPM2.5汚染の健康被害
Nature
2017年3月30日
Environment: Trading pollution for human health
2007年の微小粒子状物質汚染関連の若年死に関して、大気を経由して輸送された汚染物質と国際貿易による大気汚染に関連した若年死が100万人以上にのぼることが、大気汚染状況と若年死に関する全球的分析によって明らかになった。この結果を報告する論文が、今週掲載される。
微小粒子状物質(PM2.5)は、全世界の外気汚染による若年死の90%以上の原因だと考えられている。各種産業、乗り物など地元を発生源とする汚染物質が、周辺住民の心疾患、肺がんなどの疾患への感受性に影響すると考えられているが、国際貿易に組み込まれた大気汚染の移転が全世界の人々の健康に及ぼす影響はよく分かっていない。
今回、Qiang Zhangたちの研究チームは、2007年のPM2.5汚染に関連した全世界の若年死345万例を評価して、その約12%が死亡地以外の地域で排出された汚染物質に関連し、約22%が生産地と消費地の異なる物品・サービスに関連していたことを明らかにした。この新知見は、国際貿易に伴うPM2.5汚染の健康影響の方が、大気を経由した汚染物質の長距離輸送に伴うPM2.5汚染の健康影響よりも甚大であることを示唆している。
doi: 10.1038/nature21712
注目の論文
-
11月28日
古生物学:糞便の科学捜査が恐竜の台頭を記録するNature
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが月の裏側の火山活動の年代を特定Nature