注目の論文
ペルム紀大量絶滅への石炭の寄与
Nature Geoscience
2011年1月24日
Coal contribution to Permian extinction
シベリアの石炭層が爆発的に燃焼したことが、2億5000万年前のペルム紀大量絶滅の際に海洋生物が大量死した原因となったとの報告が寄せられている。もし石炭の飛散灰(きわめて毒性が高い)が大量に大気中にまき散らされたとしたら、その後に海洋に落下することで海洋生命を毒殺した可能性がある。
S Grasbyらは、カナダ極域高緯度地域で得られたペルム紀の年代を持つ岩石から高濃度の炭粒子を検出した。粒子は、石炭の埋蔵地域からは遠く離れているにもかかわらず、現在見られる石炭の飛散灰(燃焼の際に生成される軽い粒子)ときわめてよく似ている。研究者は石炭がシベリア石炭層から来たものだと推測している。シベリアは、ペルム紀大量絶滅が起きたときは火山活動が活発であり、火山から噴出したマグマが周囲の石炭層に火をつけたことが示唆されている。Grasbyらは、広範に起きた石炭の爆発が飛散灰を大気中にまき散らし、それが全球上に拡散したことを示唆している。
doi: 10.1038/ngeo1069
注目の論文
-
9月9日
気候変動:気温の上昇が添加糖の消費量の増加と関連しているNature Climate Change
-
9月9日
生態学:海洋の温暖化によって脅かされる重要な酸素生産性海洋微生物Nature Microbiology
-
9月4日
気候:地球の炭素貯蔵能力における世界的な限界の確立Nature
-
9月3日
環境:アマゾンの気候変容の鍵となる森林伐採Nature Communications
-
9月3日
気候変動:歴史的データが示す中国における雹嵐発生日数の増加Nature Communications
-
8月28日
環境科学:コンゴ民主共和国を侵食する都市部のガリーNature