注目の論文
【微生物学】MERSワクチンの有効性を高める方法
Nature Communications
2016年11月23日
Microbiology: Improving the effectiveness of vaccines
中東呼吸器症候群(MERS)に対するワクチンの効果の高めるための新しい方法について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、いろいろなウイルス感染症に対する有効性を高めたワクチンの設計に役立つ可能性もある。
ワクチンには、ウイルスのタンパク質が含まれており、ワクチンを注射された患者は、このウイルスの感染症に対する免疫を獲得する。しかし、ワクチンに含まれるタンパク質の一部は免疫応答に寄与しておらず、そのためにワクチン接種の効率が低下していた。今回、Fang Liの研究チームは、免疫反応を引き起こす効果の最も低い成分を同定するための新しい方法を開発した。この方法では、マウスを用い、個別のタンパク質を隠蔽して免疫系による認識を回避した上で、その場合のマウスの免疫応答を測定した。
Liたちは、この新しい方法の検証をMERSウイルスに感染したマウス(18匹)を用いて実施し、MERSウイルスに対する防御効果が最も高いワクチンを同定できることを明らかにした。
こうした初期の研究成果は、今後に期待が持てるものであり、Liたちは、この方法を他のウイルスに拡張適用した場合にインフルエンザ、エボラやHIVなどの感染症に対するワクチンの設計を改善する上で役立つ可能性があるという考えを示している。
doi: 10.1038/ncomms13473
注目の論文
-
9月18日
気候変動:温暖化によるサンゴ礁の緩衝機能の危機Nature
-
9月18日
古生物学:初期のドーム頭を持つ恐竜Nature
-
9月17日
気候変動:温暖化が熱帯地域の土壌からの二酸化炭素排出を増加させるNature Communications
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月11日
惑星科学:火星の泥岩に残る特徴が古代の環境条件を解明する手がかりとなるNature
-
9月11日
惑星科学:地球近傍小惑星リュウグウの母天体には長い流体の歴史が存在するNature