注目の論文
熱波と土壌水分
Nature Geoscience
2010年12月13日
Heatwaves and soil moisture
極度の高温はヨーロッパ中央部ではなく、南東部の土壌水分が低いことと関係があるとの報告が寄せられている。このことは、気候モデルはヨーロッパ南東部における関連性を正しく表現しているが、ヨーロッパ中央部では関連性を過大評価していることを示している。
M Hirschiらは、土壌水分と温度の観測指標を解析した。彼らは、比較的湿潤なヨーロッパ中央部とより乾燥しているヨーロッパ南東部の地域を比較して、土壌の水分は乾燥地域では極端な夏季の酷暑の発生に影響を及ぼすが、湿潤な領域では弱い関連性のみが検出されることを見つけた。土壌水分はより長い時間スケールを経て確立するので、土壌水分の不足が極端な熱波に及ぼす影響は早期警報システムの開発に役立つ可能性がある。
関連するNews and ViewsでL Alexanderは「Hirschiらの研究は、ある地域では最も極端な気候事件の予測が改善される可能性があることを示唆している」と述べている。
doi: 10.1038/ngeo1032
注目の論文
-
4月23日
天文学:人工知能が明らかにするブラックホール周辺に生じるフレアの3DモデルNature Astronomy
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
気候変動:気候変動に伴う経済的コストNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月12日
気候:熱波と極端な海水準上昇の同時発生で海岸線地帯に対する脅威が高まっているCommunications Earth & Environment