注目の論文
ぶくぶくわくメタン
Nature Geoscience
2009年7月6日
Methane bubbling up
温室効果ガスであるメタンは、600メートルもの深さの海底からしみ出して、大量に海洋表面に到達することができる、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。この結果は、全球で海洋から大気へ移動するメタン流量に対する現在の見積もりが低すぎる可能性があることを示している。
E Solomonらはロボット潜水艇を用いて、メキシコ湾の500~600メートルの深さでガスが海底噴出孔からにじみ出ている場所数か所で立ち上る泡のメタン濃度を直接測定した。研究者は、調査した深海から立ち上る泡から大気へ輸送されるメタンは、これまで浅い海の滲出で見積もられていた値よりも10~1,000倍高いことを示唆している。これは、浅海からしみ出すメタンのみが大量に海洋表面に到達しているとするこれまでの考えと正反対である。
Solomonらは、ペルシャ湾、カスピ海、アフリカ西縁、およびアラスカ北岸斜面など、同様に炭化水素を活発に産出する海盆では、海洋から大気への全球メタン流量の見積もりを改善するためにより詳細に滲出を調査する必要があると示唆している。
doi: 10.1038/ngeo574
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