注目の論文
アジアのほうに引っ張るインド
Nature Geoscience
2010年1月11日
India pulled towards Asia
インドが中央アジアに向けて現在も移動中なのは、インド大陸プレートから下向きに引っ張られているからであるとの報告が、 Nature Geoscience(電子版)に寄せられている。この研究は、5,500万~3,000万年前の間に起きたインドとアジアの衝突とその後の収束を支配した力について、異なった解釈を提示している。
F Capitanioらは数値モデルを用いて、おそらく地球上の大陸プレートでは最も劇的な収束であった、アジアとインドの大陸プレートが衝突した際の力の釣り合いについて調べた。彼らは、上部地殻が衝突帯に引きずられると、インドプレートはその下のマントルよりも密度が高く、インドをアジアのほうに引っ張り続けることを見いだした。著者らは、したがって、ヒマラヤ山脈を生成した2つの大陸プレートの衝突は、インドプレート全体がその下のマントルに沈み込むためには十分に重いので、プレート運動を止めるようには働かなかったと示唆している。
関連するNews and Viewsの記事でD Mullerは、「Capitanioらは、インドとアジアの衝突前後に起きた一連の出来事を理解するという長期にわたる問題に、新しい見方を提示している」と述べている。
doi: 10.1038/ngeo725
注目の論文
-
8月19日
化学:市販のマグネットが宇宙での酸素生産を促進するかもしれないNature Chemistry
-
8月14日
工学:太陽光が宇宙近傍で超小型航空機の飛行を可能にするNature
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
