注目の論文
【生理】血液細胞による食欲の調節
Nature Communications
2013年2月27日
Physiology: Blood cells play the hunger game
血液細胞が脳内の特定の領域へ移動することによって食欲を調節していることが明らかになった。この新知見は、マウスにおける食欲の調節に関する新たな手がかりであり、摂食障害の新たな治療法の開発につながる可能性がある。この結果を報告する論文が、今週掲載される。
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、脳内で局所的に産生され、摂食行動を調節するタンパク質だ。BDNFは血液細胞にも含まれており、この血液細胞が、炎症などの症状を示す脳領域に移動することができる。今回、小島秀人(こじま・ひでと)たちは、血液細胞が食欲の調節に役割を果たしているのかどうかを調べる研究を行い、食欲の調節に非常に重要な脳領域として知られる視床下部への血液細胞の移動が絶食によって引き起こされ、視床下部へ移動した血液細胞が、局所的ニューロンと接触して、血液細胞に特異的なBDNF変異体を産生することを見いだした。また、小島たちは、血液細胞にBDNFの遺伝的異常があるマウスが、正常なマウスより摂食量が多く、肥満になったが、こうした遺伝的異常が骨髄移植によって回復すると、摂食量が減少したことも報告している。
doi: 10.1038/ncomms2536
注目の論文
-
11月28日
科学コミュニティー:障害のある博士号取得者は米国の学術界で低賃金であり過小評価されているNature Human Behaviour
-
11月22日
公衆衛生:一般用医薬品の売り上げデータを利用した疾病サーベイランスNature Communications
-
11月15日
生物科学:胎盤の炎症は特定の成人期疾患に関連しているかもしれないNature Communications
-
11月13日
公衆衛生:スクリーンに向かう時間は若者の教育や健康上の転帰に見られるわずかな差と関連するNature Human Behaviour
-
11月9日
医学:構造的に修飾された抗真菌薬はマウスに対する毒性が低下したNature
-
11月1日
化学:化学者の直観を機械学習したモデルによる創薬支援Nature Communications