注目の論文
乳がん遺伝子に新たな役割か
Nature Communications
2011年12月21日
A potential new role for breast cancer gene
BRCA1は、家族性乳がんと卵巣がんの一部で変異しているが、このほど、心臓細胞を損傷から守る作用もあることが判明した。この新知見は、BRCA1に変異のある者には、化学療法による心不全のリスクがある可能性を示唆している。 今回、S Vermaたちは、当初健康だった、心臓細胞にBRCA1のないマウスに心筋梗塞による心臓の損傷が生じると、正常なBRCA1をもつマウスより死亡率が高くなったことを明らかにした。また、BRCA1のないマウスに化学療法剤(ドキソルビシン)を投与したところ、心臓の機能が低下し、一部の細胞は細胞死を起こした。さらには、心筋梗塞を起こした後にドキソルビシンを投与されたマウスの心臓において、DNA損傷の修復が低下したことも明らかになった。以上の知見は、BRCA1が心不全の治療に役立つ可能性があること、そして、BRCA1に変異のある家族性乳がん患者と卵巣がん患者は、もう1つの化学療法剤であるアントラサイクリンの使用に伴う心不全のリスクが他の患者より高い可能性があることを示唆している。
doi: 10.1038/ncomms1601
注目の論文
-
7月23日
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
7月22日
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
7月16日
神経科学:老化と神経変性疾患のバイオマーカーを解明するNature Medicine
-
7月15日
健康:健康な高齢化における世界的な格差の要因の評価Nature Medicine
-
7月8日
がん:1,100万人を超えると予測される胃がんの原因は細菌かもしれないNature Medicine
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour