注目の論文
マラリア予防に新たな標的候補
Nature Communications
2011年11月9日
Potential new anti-malarial target
マラリア原虫のチロシルtRNA合成酵素が、ヒトのマクロファージに結合して、その内部に取り込まれ、免疫応答を引き起こすことが明らかになった。この新知見は、チロシルtRNA合成酵素がマラリア予防法の新たな標的となる可能性を示唆している。
チロシルtRNA合成酵素は、タンパク質の翻訳に必要なハウスキーピングタンパク質である。今回、A Sharmaたちは、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のチロシルtRNA合成酵素の構造を解明し、この酵素に含まれる特定のモチーフによってチロシルtRNA合成酵素がマクロファージに結合することを明らかにした。この酵素がマクロファージに結合すると、マラリアの病態生理において重要な役割を担っている炎症促進性サイトカインの分泌が誘発される。
今回の研究の結果、チロシルtRNA合成酵素がマラリア原虫の感染予防における重要な標的の1つとなる可能性が浮上した。
doi: 10.1038/ncomms1522
注目の論文
-
7月23日
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
7月22日
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
7月16日
神経科学:老化と神経変性疾患のバイオマーカーを解明するNature Medicine
-
7月15日
健康:健康な高齢化における世界的な格差の要因の評価Nature Medicine
-
7月8日
がん:1,100万人を超えると予測される胃がんの原因は細菌かもしれないNature Medicine
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour