注目の論文
【免疫】アルツハイマー病の新しい治療法
Nature Communications
2015年8月19日
Immunology: New approach in Alzheimer's treatment
アルツハイマー病を治療できる可能性があるとされる新しい方法についての方向が、今週掲載される。マウスの実験が行われ、体内の免疫系の制御にとって重要な特定の白血球(制御性T細胞)を標的にすることで、アルツハイマー病の主要な症状を治療できることが明らかになった。
アルツハイマー病は、中枢神経系を冒し、ニューロンの損傷、プラーク(タンパク質の固まり)の形成、慢性炎症を引き起こす。こうした症状は、免疫細胞を中枢神経系に輸送することで緩和されるという考え方がこれまでに示されていた。
このMichal Schwartzたちの論文では、マウスにおいて、Foxp3+制御性T細胞(Treg細胞)の活性を阻害することで脳へ輸送される免疫細胞が増えることが明らかにされた。この実験の結果、炎症とプラークが減り、認知テストの成績が向上した。今回の研究では、脳を冒す疾患における制御性T細胞の役割が浮き彫りになり、将来的なアルツハイマー病の治療で制御性T細胞が薬物標的となる可能性が明らかになった。
doi: 10.1038/ncomms8967
注目の論文
-
7月23日
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
7月22日
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
7月16日
神経科学:老化と神経変性疾患のバイオマーカーを解明するNature Medicine
-
7月15日
健康:健康な高齢化における世界的な格差の要因の評価Nature Medicine
-
7月8日
がん:1,100万人を超えると予測される胃がんの原因は細菌かもしれないNature Medicine
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour