注目の論文
阻害剤はどうやってキナーゼを活性化するのか
Nature Chemical Biology
2009年5月25日
How do inhibitors activate kinases?
Nature Chemical Biology(電子版)およびNature Structural & Molecular Biology(電子版)の掲載論文によれば、2種類のキナーゼでは阻害 剤の結合が前活性化につながるという。この意外な知見は、薬物探索で重要な意味をもつ可能性がある。
一種の酵素であるキナーゼは、リン酸という小さな化学的原子団の付加により、完全な活性化に向けた「準備」を行う場合が多い。臨床でがん治療に利用されているキナーゼ阻害剤は、キナーゼ活性を遮断することによって機能する。そのため、がん関連キナーゼAktの阻害剤が「呼び水」のリン酸を付加させることがわかったのは、予想もしないことであった。
化学的ツールを用いてこの現象をさらに追究することにより、K Shokatたちは、Akt阻害剤の結合がこのリン酸化の促進に直接作用していることを明らかにした。P Parkerたちは、同類のキナーゼPKCεで同じような作用を発見した。阻害剤の結合が直接的に呼び水のリン酸化を引き起こしたのである。
S FryeとG Johnsonによる関連のCommentary記事で考察されるとおり、阻害するように作られたキナーゼの活性「準備」を促進する薬物は望ましくないと考えられ、今回の結果は薬物探索に重要な意味をもっている。
doi: 10.1038/nchembio.183
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