2020年4月号Volume 17 Number 4

「フォース」を感知するタンパク質を求めて

細胞が接触や圧力を感知する仕組みは長らく謎に包まれていた。しかし、2010年に圧力を感知するタンパク質Piezo2が発見され、この分野に火がついた。Piezo類に関する論文はこの3年間で300本以上発表されている。マラリア耐性との関連も報告されるなど、物理的な力を感知するタンパク質は、医薬の標的としても注目を集め始めている。

Editorial

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Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

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News in Japan

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日本の若手研究者の支援に本当に必要なもの、それは何か。実績ある研究者や、文部科学省、JST、AMED関係者が、EUの代表者やEMBOのディレクターと、東京で意見を交換した。

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世界で活躍することを目指す研究者と、その家族を支援するNPO法人ケイロン・イニシアチブが、研究者留学に帯同する家族を対象とした助成金制度を創設。理事長の足立春那(あだち・はるな)氏と、副理事長として活動をサポートする夫の剛也(たけや)氏に、設立のきっかけと設立に込めた思いを聞いた。

科学研究が社会を大きく左右する昨今、不確実な未来を見通して対策を講じるには産官学による連携が必須だ。そうした中、筑波大学は立地、設備、国際性などを生かし、トヨタ自動車と共にSociety 5.0実現に向けたプロジェクトを進めている。同大学が考える産官学連携について、内田史彦教授(国際産学連携本部)と柳沢正史教授(国際統合睡眠医科学研究機構)に聞いた。

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News in Focus

2019年4月、パリのノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生した。人々に親しまれてきた大聖堂の炎上は世界に衝撃を与えたが、科学者たちはこの機会を利用して大聖堂の建材の研究に取り組んでいる。

これまでにない作用機序を持ち、「治療不可能」な細菌株にも有効な分子が、機械学習によって発見された。

現代人の平熱は19世紀の人に比べてわずかだが低くなっていることが、150年以上にわたる米国のデータから分かった。

NASAの探査機ニューホライズンズのデータから、宇宙探査史上最遠のカイパーベルト天体は、低温の有機分子に覆われていることが明らかになった。

英国は2020年1月31日午後11時(グリニッジ標準時)、欧州連合(EU)を離脱する(註:この記事はNature 2020年1月30日号に掲載された。離脱は予定どおりに行われた)。この時刻から、2020年末までの11カ月間の「移行期間」が始まり、英国とEUの今後の関係を決める交渉が行われる。交渉には、EUの次の7年間の研究資金助成計画「ホライズン・ヨーロッパ」における英国の役割が含まれる。ホライズン・ヨーロッパは、2021年1月1日に始まり、1000億ユーロ(約12兆円)規模になるとみられている。Nature は、EU離脱に伴う2020年の交渉が、英国の科学研究や科学者にどのような影響があるかを調べた。

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Features

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World View

英国学士院(ロンドン)の最高経営責任者ヘタン・シャー(Hetan Shah)は、人間の洞察がなければ、データとハードサイエンスのみではこの先10年間の難題を解決できないだろうと語る。

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Technology & Tools

これからの1年間に大きな影響をもたらす可能性のある技術開発は何だろう? 思想的リーダー7人が、それぞれ予想を述べる。

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News Scan

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Where I Work

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