The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2017年9月21日 ~ 2017年10月21日

  • ニューロンによる免疫細胞の調節

    Nature 549 (2017年9月21日)

    V Kuchrooたちは今回、単一細胞RNA塩基配列解読法を用いて、上皮細胞由来のサイトカインであるIL-25やIL-33に対するマウスの肺自然リンパ球の応答を解析した。彼らは、ニューロメジンU受容体NMUR1が、2型自然リンパ球(ILC2)の亜集団が特異的に発現する受容体であることを明らかにし、この受容体はIL-25と神経ペプチドリガンドであるニューロメジンU(NMU)によって活性化され、肺の炎症応答を誘導することを示している。このことから、NMU–NMUR1シグナル伝達は、アレルギー性肺炎症を軽減する可能性がある。

    Article

    doi: 10.1038/nature24029 | 全文  | PDF

  • 一連の予想外な神経事象を追跡する

    Nature 549 (2017年9月21日)

    コカイン摂取への応答として神経回路の可塑性が変化することは以前の研究で明らかにされているが、薬物投与後に変化する可能性のある神経回路を偏りなしにスクリーニングする方法はこれまでなかった。今回R Malenkaたちは、マウスで腹側被蓋野ニューロンに結合するニューロン群のコカイン投与後の変化を標識・マッピングするために、狂犬病ウイルスを用いた単一シナプス追跡法を適用した。コカイン投与は狂犬病ウイルス接種の前日に行われた。この試みで、これまで知られていなかった淡蒼球外節と腹側被蓋野の間の活動の亢進が明らかになった。この結合追跡戦略は、さまざまな行動経験への応答として起こる、これまで注目されてこなかった回路変化を明らかにするために使えるかもしれない。

    Article

    doi: 10.1038/nature23888 | 全文  | PDF

  • 挟まれたグラフェンが量子相のギャップを埋める

    Nature 549 (2017年9月21日)

    この10年でグラフェンは、分数量子ホール領域において出現し得るエキゾチック相の発見を目的とした重要なプラットフォームとして浮上してきた。この領域では、二次元に閉じ込められた電子が高磁場にさらされると、強い相互作用によって複合準粒子が生成される。A Youngたちは今回、そうした研究用の並外れて高い品質のプラットフォームを開発した。著者たちは、二層グラフェンを六方晶窒化ホウ素で挟み、さらにこの構造をグラファイト電子ゲートで挟んだ。その結果、探し求められてきた「偶数分母」状態を含む、さまざまな分数量子ホール相を明瞭に分解することができた。偶数分母状態は、磁場中で生じ量子化コンダクタンスのプラトーを伴ういわゆるランダウ状態の一部が占有された状態を指すものである。この相は、創発的準粒子として非アーベル型エニオンを含むと予測されているので特に興味深く、この準粒子の持つトポロジー的特性を量子情報記憶に利用できる可能性がある。

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    doi: 10.1038/nature23893 | 全文  | PDF

  • 工業合金の3D印刷

    Nature 549 (2017年9月21日)

    金属の3D印刷、つまり積層造形は、粉末を合金化するためにレーザーや電子ビームのような直接的なエネルギー源を使用するが、そうしたことを行うことができるのは一部の金属のみである。多くの場合、凝固段階において大きな柱状粒子と亀裂が生じる。今回、J Martinたちは、これまで3D印刷できなかった航空宇宙用アルミニウム合金でこの問題に挑んでいる。彼らは、それぞれの合金に合わせた細粒化用ナノ粒子で金属粉原料を修飾した。こうしたナノ粒子の組成は、結晶の格子間隔と密度の整合を特定することによって計算され、これによって低エネルギーの核形成障壁が実現された。この造核剤によって、凝固中に生じる応力に、より容易に適応する小さな等軸粒が生成され、亀裂が形成される可能性が低減された。得られた構造の機械的特性は、こうした細粒化剤の無い場合よりも優れており、展伸材のそれに匹敵する。

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    doi: 10.1038/549342a | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23894 | 全文  | PDF

  • 人工的ジアステレオ異性体

    Nature 549 (2017年9月21日)

    人工分子機械は、進化した生物機械の複雑さ、精密さ、機能に匹敵するようになる可能性があるのかについて議論が交わされており、個々の原子から分子を組み立てることの可能性、実用性、スケーラビリティーについて疑問が生じている。仮想的な「分子アセンブラー(分子組み立て機)」が機能するカギは、この機械装置が反応物を配置する能力である。今回D Leighたちが用いた分子機械は、基質を「捕捉」してこの分子機械の2つの活性化部位のうちの1つに配置し、基質への付加の立体化学を制御することができる。この分子ロボットは、2つの逐次的化学反応において、それらの反応の合間に基質をどう動かすようプログラムされているかに応じて、生成し得る4つのジアステレオ異性体のうちのいずれか1つを生成できた。中には、従来の有機触媒反応では合成できない異性体も含まれていた。

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    doi: 10.1038/549336a | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23677 | 全文  | PDF

  • ランの起源

    Nature 549 (2017年9月21日)

    顕花植物の約10%を占めるラン科の植物は、形態も生活様式も非常に多様である。ヤクシマラン亜科を構成するヤクシマラン属(Apostasia)は、ラン科の中で最も早い時期に分岐した系統の1つである。今回Z LiuとY Van de Peerたちは、ラン科植物の進化と多様性について調べるため、中国南東部に見られる自家受粉性のランApostasia shenzhenicaのゲノム塩基配列を解読した。彼らはまた、セッコク亜科の2種、ヒメコチョウラン(Phalaenopsis equestris)とキバナノセッコク(Dendrobium catenatum)のより高精度なゲノム塩基配列を明らかにするとともに、他の亜科の代表種のトランスクリプトームの解析結果も報告している。ラン科の全ての亜科を網羅した今回の解析により、ランの起源やゲノムの進化、適応、多様化に関する洞察が得られた。

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    doi: 10.1038/nature23897 | 全文  | PDF

  • BRAF変異が脳疾患の原因となる

    Nature 549 (2017年9月21日)

    脳の免疫細胞であるミクログリアは、造血幹細胞(HSC)とは異なる卵黄嚢の赤血球骨髄系前駆細胞(EMP)から生じる。F Geissmannたちは今回、RAS–MEK–ERK経路を活性化するある変異型BRAFのモザイク発現は、HSCで起こると腫瘍の原因となるが、EMPで起こった場合には組織常在型マクロファージの増殖と遅発性の神経変性疾患を引き起こすことを示している。彼らはマウスモデルで、神経行動学的異常、アストログリオーシス、アミロイド前駆体タンパク質の沈着、シナプス消失および神経細胞死はERK活性型ミクログリアによって引き起こされるが、BRAFの阻害によって防げることを明らかにした。以上の結果は、ミクログリアにおけるMAPキナーゼ経路の活性化が、マウスで神経変性疾患の原因となり得ることを示している。これらの知見によって、今回研究されたBRAF変異のようなRAS–MEK–ERK経路の体細胞変異と関連した骨髄系細胞増殖性疾患である組織球増殖症の患者で神経変性疾患が見られることを説明できるかもしれない。

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    doi: 10.1038/nature23547 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23672 | 全文  | PDF

  • 色素沈着を誘導して皮膚がんを防ぐ

    Nature 549 (2017年9月21日)

    赤毛で色白、かつ日焼けしにくい人は、黒色腫を発症するリスクが高い。このような人たちはメラノコルチン1受容体(MC1R)のバリアントを持っていることが多く、このバリアントはより広く見られるMC1R型に比べると色素沈着を誘導する能力が低い。R Cuiたちは今回、マウスでタンパク質のパルミトイル化という修飾を行うと、バリアントMC1Rの色素沈着誘導能が増強される仕組みを明らかにし、これが黒色腫発症の低下とつながることを示している。このような手法が実用化できるかどうかはまだ不明だが、今回の知見は黒色腫の予防戦略を示唆している可能性がある。

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    doi: 10.1038/nature23550 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23887 | 全文  | PDF

  • 選ばれなかった無数の道

    Nature 549 (2017年9月21日)

    歴史に別の展開があり得たのかどうかは、無数の「たられば」論の核心的問題であるが、実験で取り扱うことができないため、ほとんど推測することしかできていない。J Thorntonたちは今回、特性が十分に明らかにされている祖先的ホルモン受容体のDNA結合特異性に着目し、このタンパク質がとり得た可能性のある膨大な数の進化的道筋をマッピングした。再構成した50万のバリアントについてdeep mutational scanning法を適用することにより、極めて多様な生物物理学的解決法に依存して派生機能を歴史的進化の帰結と同等またはそれ以上の能力で果たすことのできる別のタンパク質配列が数百通り発見された。今回の結果は、我々が生きている生物学的な現実世界は進化のサイコロが何度も振られた中で出た1つの帰結にすぎないこと、そして、今この現在があることにはおそらく特段の理由がないことを物語っている。

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    doi: 10.1038/nature23902 | 全文  | PDF

  • 基本転写因子の構造

    Nature 549 (2017年9月21日)

    転写因子IIH(TFIIH)は、真核細胞でのRNAポリメラーゼII(Pol II)による遺伝子転写開始に必要とされる基本転写装置の一部である。TFIIHはまた、ヌクレオチド除去DNA修復に必要とされ、ヒトの遺伝疾患のいくつかでは、そのサブユニットの一部に変異が生じている。今回E Nogalesたちは、10個のサブユニットからなるヒトTFIIHの低温電子顕微鏡構造を決定し、ATPアーゼである2つのサブユニットXPBとXPDが支配的な役割を担っている構造を明らかにした。また、疾患に関連する変異もこの構造上に位置付けられた。遊離のTFIIHの構造と、Pol II開始前複合体と複合体を形成したTFIIHの構造との比較から、コンホメーション再編成に関する最初の手掛かりが得られ、転写開始機構の完全な解明がさらに一歩近づいた。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23903 | 全文  | PDF

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