The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2017年11月17日 ~ 2017年12月17日

  • 耳の骨が1~2個多かった古代の滑空性哺乳類

    Nature 551 (2017年11月23日)

    ハラミヤ類は恐竜の時代に生息していた哺乳類の1群で、現代のモモンガやムササビによく似た滑空の習性があったと考えられている。こうした滑空するハラミヤ類については、近年2つの新種が記載されており、今回のJ Mengたちによる新種の報告はそれに続くものである。今回記載された種は、1億6400万~1億5900万年前のジュラ紀に中国に生息していたもので、滑空への適応の他にも多くの興味深い特徴が認められた。例えば、その中耳は、哺乳類中耳の進化の興味深い中間点を示している。現代の哺乳類中耳は、鐙骨、槌骨および砧骨の3つの耳小骨によって形成されているが、この滑空性ハラミヤ類の中耳では、さらに下顎の上角骨と頭蓋の外鼓骨が加わり、これまで知られていなかった5小骨系を形成していたと見られる。

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    doi: 10.1038/nature24483 | 全文  | PDF

  • 地球上の微生物多様性

    Nature 551 (2017年11月23日)

    L Thompsonたちは今回、地球マイクロバイオームプロジェクトのメタ解析研究において、コレクション、キュレーション、解析のパイプラインについての標準化した方法を開発して、2万7000以上の試料(土壌微生物、水生微生物、動物関連微生物および植物関連微生物)の16SリボソームRNA(rRNA)タグ塩基配列を調べ、細菌やアーキアの分布の基本構造や駆動要因の全球的状況を示した。この研究は、微生物生態学における将来的な研究のための重要な参照データベースや枠組みを示しただけでなく、特定の生物の全球的な分布に加えて、群集組成のさまざまなパターンも明らかにしている。これらの知見は、分散やニッチへの定着についての理解をより深めるものだ。

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    doi: 10.1038/nature24621 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature24756 | 全文  | PDF

  • 一塩基編集技術の進展

    Nature 551 (2017年11月23日)

    2016年、D LiuたちはDNA「一塩基編集」技術を開発した。この系により二本鎖切断を起こさずに、DNA内でC–G塩基対をT–A塩基対へ変えることができる。この方法では、シチジンデアミナーゼをRNA誘導性の不活性型Cas9複合体に連結することにより部位の選択が可能になる。しかし、この系では疾患を引き起こすことが知られている一塩基多型のおよそ半分は修正できない。今回D Liuたちは、A–T塩基対のG–C塩基対への変換を目的とした、ゲノム塩基編集技術の次の段階について報告している。彼らはRNAに作用する細菌のアデノシンデアミナーゼを元にして、7回の選択と改良を行い、ABE7.10を作り出した。この酵素も同様にRNA誘導性の不活性型Cas9複合体に連結され、DNAを基質として用いる。その結果、ゲノム中の複数の部位や状況での修正効率は平均53%で、変異が起こる確率も非常に低かった。重要なことに、この系は、疾患に関連した一塩基多型の修正にも、疾患を抑制する一塩基多型の導入にも用いることができる。

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    doi: 10.1038/nature24644 | 全文  | PDF

  • 80Sリボソームの修飾をマッピング

    Nature 551 (2017年11月23日)

    リボソームの2個のサブユニットはそれぞれ、1個の大きなRNA分子に係留されている。これらのリボソームRNA(rRNA)のヌクレオチドの多くは、転写後に修飾を受ける。この修飾に変異が生じると多くの疾患の原因になることから、この修飾の重要性は明らかである。B Klaholzたちは今回、ヒトリボソームの構造を非常に高い分解能で決定し、それにより、これまで知られていなかった修飾も含めて130を超えるrRNA修飾の位置を決定した。原核生物のリボソームの修飾位置との比較によって、真核生物では原核生物よりも修飾の数が多く、それがより大きなリボソーム複合体の安定化を可能としていることが分かった。これらのデータは疾患の機序についての理解を広げ、新たな治療戦略に結び付くと考えられる。

    Article

    doi: 10.1038/nature24482 | 全文  | PDF

  • ペルセウス座銀河団に見られる太陽元素存在量

    Nature 551 (2017年11月23日)

    銀河団は高温ガスに取り巻かれており、そのガス中の元素存在度は、そうした銀河団の一生にわたってその中の銀河で発生した全ての超新星の累積的な影響の結果である。最近の研究では、銀河団の元素存在量が太陽のものとは異なることが見いだされており、銀河団と天の川銀河の超新星は別の歴史をたどったと示唆されている。しかし、観測機器の限界により、これらの観測は困難であった。今回、ひとみコラボレーションの山口弘悦(米国航空宇宙局ほか)たちは、ペルセウス座銀河団を非常に高いスペクトル分解能で観測し、その鉄ピーク元素の存在比が太陽のものに近いことを明らかにしている。彼らは、チャンドラセカール質量に近いおよびそれ以下の白色矮星が混在しており、これらがIa型超新星爆発を通してこうした元素に寄与したと結論している。

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    doi: 10.1038/nature24301 | 全文  | PDF

  • 雷雨の中で放射性同位体が生成される

    Nature 551 (2017年11月23日)

    雷雲では、相対論的電子によってエネルギーが非常に高いγ線が放出され、理論的にはこうしたγ線の大気中の原子や分子との相互作用によって、放射性同位体、中性子、陽電子などが生成される可能性がある。最近、中性子や陽電子が観測されたとする弱い証拠がいくつか報告された。今回、榎戸輝揚(京都大学)たちは、2017年2月6日に日本の沿岸域で雷雨を観測し、γ線フラッシュに伴って、電子–陽電子対消滅の明確な特徴と、中性子捕獲により励起した核の脱励起によって生じたγ線が見られたことを報告している。著者たちは、雷の後、放射性同位体のβ+崩壊によって陽電子が生成されたと結論している。

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    doi: 10.1038/nature24630 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-017-07266-w | 全文  | PDF

  • 触媒が全てを担う

    Nature 551 (2017年11月23日)

    炭素–水素(C–H)結合の活性化による直接官能基化は、反応を行うために事前に反応基を導入する必要がないため、有機合成における最も有用な反応の1つである。しかし、有機分子に存在するC–H結合の反応性と数ゆえに、C–H結合を1つだけ狙って選択的に官能基化することは困難である。一般的に、選択的なC–H結合官能基化には、特定のC–H結合に触媒を近づけることによって反応を導く「配向基」が用いられてきた。今回J Yuたちは、配向基を用いず2-ピリドン配位子を用いるパラジウム触媒アレーンC–H官能基化法を報告している。この配位子によって、触媒の反応性が高まるため、アレーンを制限試薬として使用できるようになり、複雑な分子の誘導体化にそうした反応を利用する際の大きな欠点が克服される。また、この配位子は位置選択性に対する立体効果を高め、場合によっては、配向基を必要とせずに位置選択性を大幅に向上させることもできる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24632 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-017-07270-0 | 全文  | PDF

  • 深部マントルの低速度領域を鉄で解決する

    Nature 551 (2017年11月23日)

    地球の核–マントル境界の上には大きな超低速度領域が存在し、そこを通過する地震波の速度はその周囲の物質を通過する場合より著しく遅い。超低速度領域の組成と起源はよく分かっていない。今回J Liuたちは、水素を含む過酸化鉄FeO2Hxを生成する高温高圧における鉄と水との反応について報告している。生成された過酸化鉄は、密度とポワソン比が比較的高く、音速が極めて遅い。著者たちは、最下部マントルで観測される超低速度領域の地震波特性と体積を、この反応で説明できる可能性があると示唆している。おそらく沈み込んだ含水鉱物によって運ばれた地球の海水の約10分の1の質量の水と、地球の核内に事実上無限に存在する鉄リザーバーとの間の反応を含め、このような反応はありそうなことと思われる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24461 | 全文  | PDF

  • 量より質のネオアンチゲン

    Nature 551 (2017年11月23日)

    膵臓がんの患者で5年以上生存するのは数パーセントにすぎないが、この相対的な長生きの理由は定かではない。今回の後向き解析において、V Balachandranたちは、ヒトの膵臓がんにおける長期生存の免疫機構を評価した。この解析は、生存が細胞溶解性T細胞の浸潤とポリクローナルT細胞応答の増加を伴う高度の変異負荷と相関し、そして腫瘍抗原MUC16遺伝子座の変異が長期生存者に豊富に見られることを明らかにしている。さらに、ネオアンチゲンと微生物間の交叉反応性の予測値が高い患者が、最も長く生存する傾向にあった。著者たちは、ネオアンチゲンの量よりも、むしろ質が生存を決定するという証拠を提示している。

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    doi: 10.1038/nature24462 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-017-07267-9 | 全文  | PDF

  • 免疫療法に対する腫瘍応答を予測する

    Nature 551 (2017年11月23日)

    免疫チェックポイント阻害に対する応答は、腫瘍の内在性因子や微小環境因子に依存しており、免疫相互作用によって進化的に形作られるようだ。M Łukszaたちは今回、感染症モデルを改変した数学的な腫瘍適応度モデルを作成し、腫瘍と免疫の相互作用の枠組みとして用いている。これをヒトの黒色腫や非小細胞肺がんのデータに適用すると、このモデルは免疫チェックポイント阻害治療下でのがん細胞の進化動態を再現できた。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24473 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-017-07267-9 | 全文  | PDF

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