The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2018年8月27日 ~ 2018年9月26日

  • 空間と時間の統合された記憶

    Nature 561 (2018年9月6日)

    ヒトではエピソード記憶と呼ばれる経験に関連した記憶の形成に、特定の事象に時間情報を統合することが不可欠である。そうした統合が海馬回路で起こることまでは分かっているが、この符号化がどのような機構で起こるかは未解明である。今回E Moserたちは、さまざまな時間スケールが、海馬ではなく外側嗅内皮質で表現されていることを明らかにしている。この表現は、内側嗅内皮質に保存されている空間情報と海馬で結び付けられ、時間と空間の統合された記憶となる。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0459-6 | 全文  | PDF

  • グルタミンシンテターゼの新しい機能

    Nature 561 (2018年9月6日)

    酵素であるグルタミンシンテターゼは、細菌からヒトまで進化的に保存されていて、グルタミン合成とアンモニアの解毒を担っている。今回G EelenとP Carmelietたちは、哺乳類のグルタミンシンテターゼが、血管新生での血管の発芽調節において、これまで知られていなかった機能を担っていることを報告している。内皮細胞および酵素分析、そしてin vitroやマウスにおけるグルタミンシンテターゼ活性の薬理学的操作や遺伝的操作を用いることで、グルタミンシンテターゼには自己パルミトイル化活性があり、その細胞内の局在に影響を及ぼしていることが実証された。自己パルミトイル化されたグルタミンシンテターゼは、RhoJと相互作用して、RhoJのパルミトイル化、膜局在化、活性化を持続させ、これが次に内皮細胞の運動性に影響を与える。グルタミンシンテターゼの薬理学的阻害により、マウスの失明眼や乾癬性皮膚疾患での病的な血管新生が減少したことから、この酵素を薬剤標的とすることは、過剰な血管の増殖を特徴とする疾患において、有望な抗血管新生治療法になると考えられる。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0466-7 | 全文  | PDF

  • マラリアのタンパク質を積み荷として宿主細胞内に運び込むトランスロコン

    Nature 561 (2018年9月6日)

    マラリア発症の主要な特徴の1つは、プラスモジウム属(Plasmodium)のマラリア原虫による宿主の赤血球(RBC)のリモデリングである。マラリア原虫はRBC中の寄生体胞内部に住み着き、専用の分子装置を使って大量のエフェクタータンパク質をRBCの細胞質へと運び込む。この役割を果たすのが、1.2 MDaを超える膜タンパク質複合体であるPTEX(Plasmodium translocon of exported proteins)である。このトランスロコンはマラリア原虫の毒性に必須で、そのため抗マラリア薬の重要な標的候補と見なされているが、複合体が集合し機能する際の分子機構はほとんど分かっておらず、複合体に関する構造情報もなかった。今回H Zhouたちは、CRISPR–Cas9によって改変されたエピトープ標識を使って、EXP2とPTEX150、HSP101からなる内在性PTEXコア複合体を熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)から単離し、内在する積み荷の移動を行っている状態の複合体と、次の輸送用にリセットされた状態にある複合体の構造をクライオ(極低温)電子顕微鏡法により決定した。この研究は、熱帯熱マラリア原虫エフェクタータンパク質の搬出機構についての重要な知見を明らかにしており、この独特なトランスロコンを標的とする抗マラリア薬を構造に基づいて設計するための情報が得られそうだ。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0469-4 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05977-2 | 全文  | PDF

  • 木星の意外なダイナモ

    Nature 561 (2018年9月6日)

    木星探査機ジュノーは木星を周回しながら、木星磁場など数々の測定を行っている。今回J Bloxhamたちは、さまざまな深さでの木星の磁場マップを報告しており、この惑星のダイナモ領域から出て行く磁束の大半は北半球の狭い帯状の地域からであり、これが赤道付近で内部へと戻っていることを見いだしている。このため木星ダイナモは、地球とは異なり、厚く一様な殻内では生じていないことが示唆された。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0468-5 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-06095-9 | 全文  | PDF

  • 原子を並べ替える

    Nature 561 (2018年9月6日)

    量子コンピューティングや量子シミュレーションの大規模応用には、個別に制御される多数のキュービットが必要となる。このため、最近の取り組みには、日進月歩で向上する低温原子並べ替え実験の開発が含まれている。今回D BarredoたちとD Weissたちがそれぞれ、低温の中性原子を規則正しく密に充填した三次元格子を実現できることを示している。Barredoたちの手法は、ホログラフィック光ピンセットに基づくもので、格子形状を高度に調節できる。これにより、最大72個のルビジウム原子を含み、全く任意の形状をとることができる、充填率がほぼ1の三次元アレイが実現された。一方、Weissたちは、「マクスウェルの悪魔」の思考実験から着想を得て、系の総エントロピーを量子縮退しきい値未満に低下させながら、三次元格子にセシウム原子を密に充填した。今回の結果は、中性原子量子コンピューターを用いる量子情報処理への有望なステップとなる。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0450-2 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-018-0458-7 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-06107-8 | 全文  | PDF

  • 哺乳類の生殖様式の起源

    Nature 561 (2018年9月6日)

    哺乳類は、その名称が示すように、主に生殖様式によって定義される。現生哺乳類には卵を産むものがごくわずかに存在するが、哺乳類は一般に胎生であり、母乳で仔を育てる。哺乳類の生殖の進化史をたどるのは難しく、それは哺乳類の成体が歯以外の痕跡を後世に残すことがまれで、幼体の化石はさらに希少なためである。今回E HoffmanとT Roweは、北米西部の前期ジュラ紀(1億8400万年前)の堆積層で発見された、カイエンタテリウム(Kayentatherium wellesi)という動物の少なくとも38個体の孵化期幼体からなる化石の集合体とその母親と推定される成体の骨格を報告している。カイエンタテリウムは真の哺乳類ではなくトリティロドン類で、形態的には爬虫類と哺乳類の中間体である、いわゆる「哺乳類型爬虫類」と称される分類群(単弓類)に属する。38個体という一腹仔数は哺乳類に考えられるものとしては多過ぎるが、ワニなどの爬虫類では十分範囲内で、一腹仔数の減少は哺乳類進化においてより後に起こったことが示された。また、これらの幼体の頭蓋は成体のそれを縮小したものに似ており、その成長パターンは「大きな眼と短い顔」という哺乳類の幼体を連想させる顔つきよりもトカゲのものによく似ていることが示唆された。こうした顔つきの変化も同様に、その後の哺乳類進化において生じたと考えられる。今回の発見は、哺乳類進化の幕開けにおける動物の家族生活の1こまを映し出すものである。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0441-3 | 全文  | PDF

  • マルハナバチに対するスルホキシイミン系農薬の亜致死性の影響

    Nature 561 (2018年9月6日)

    スルホキシイミン系の殺虫剤は、ネオニコチノイド類の後継品となる可能性が最も高い農薬であり、世界の国々ですでに使用が認可されているか認可が検討されている。H Siviterたちは今回、スルホキシイミン系殺虫剤スルホキサフロルへの曝露が、野外で実際に曝露する量で、マルハナバチに対して亜致死性の影響を及ぼすことを報告している。この農薬にさらされたコロニーでは、生産されるワーカーや雄の生殖虫の数が著しく少なかった。この知見は、ネオニコチノイド類の直接的な代替品としてスルホキシイミン類を使用することに対して警告を発するものである。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0430-6 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05917-0 | 全文  | PDF

  • 線虫では幼若期のストレスが性成熟に影響を及ぼす

    Nature 561 (2018年9月6日)

    線虫の一種Caenorhabditis elegansでは、成虫の神経系の性分化は、両性で共通するニューロン間のシナプス結合の性特異的剪定によって起こる。O Hobertたちは今回、雄が幼若期に一時的な飢餓を経験するとこの過程が抑えられることを見いだしている。これはオクトパミンやセロトニンの信号伝達の持続的な変化を介して起こり、成体期の雄でにおい物質に対する応答性を高い状態に維持する。この研究から、初期の生活史が神経回路の変化という形で記憶され得る仕組みが明らかになり、これが成虫の行動の性的二型性に影響を及ぼしていることが示された。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0452-0 | 全文  | PDF

  • 免疫のパターン認識におけるALPK1の役割

    Nature 561 (2018年9月6日)

    エルシニア属(Yersinia)をはじめとする病原性のグラム陰性細菌は、III型分泌装置依存的な機構によって宿主のNF-κBと自然免疫を活性化する。F Shaoたちは今回、遺伝学、生化学、構造生物学を組み合わせて用いて、細菌の糖代謝産物であるADP-ヘプトースが、ALPK1(alpha-kinase 1)–TIFA–TRAF6シグナル伝達経路を介してNF-κBを活性化することを明らかにしている。これによって、ALPK1が、細菌のADP-ヘプトースを認識するパターン認識受容体であることが示された。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0433-3 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05854-y | 全文  | PDF

  • ピック病で見られるタウ繊維の構造

    Nature 561 (2018年9月6日)

    S ScheresとM Goedertたちは最近、アルツハイマー病患者から得られたタウ繊維のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告した。今回、彼らは前頭側頭型認知症が特徴の神経変性疾患であるピック病の患者から得られたタウ繊維の構造を決定したことを報告している。この繊維は、アルツハイマー病で見られるタウ繊維とは異なる折りたたみ方をされていることが明らかになり、集合したタウに配座異性体が存在することが確認された。これは、さまざまな疾患に罹患したヒト脳に、異なる折りたたみ方をされたタウが存在し得る仕組みを示している。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0454-y | 全文  | PDF

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