The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2013年4月24日 ~ 2013年5月24日

  • 口と顔の動きを制御する親時計

    Nature 497 (2013年5月9日)

    げっ歯類は、リズミカルに鼻をくんくんさせてにおいを嗅いだり、長いひげ(洞毛)を動かしたりして周囲を探索する。これらの行動の協調は環境探索を効率よく行うために重要だが、新たな研究で、この協調に関わる神経系が明らかになった。D Kleinfeldたちは、延髄腹側部の一領域が洞毛のリズミカルな動きを作り出していることを突き止め、この領域のニューロンが、呼吸パターンに関わる神経核からの入力によって制御されていることを明らかにした。呼吸パターン発生器は、洞毛の動きの親時計となるだけでなく、呼吸と協調する他の行動についても同じような機能を果たしている可能性がある。

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    doi: 10.1038/nature12076 | 全文 | PDF

  • 視床下部による老化過程の制御

    Nature 497 (2013年5月9日)

    老化は栄養状態や炎症と密接に関係しており、線虫(Caenorhabditis elegans)やショウジョウバエ(Drosophila)では、特定のニューロンが老化に対する環境の影響を調節している可能性がある。今回、中枢神経系と末梢神経の間の神経内分泌相互作用に重要な脳領域である視床下部に注目して、老化の研究が行われた。G Zhangたちは、マウス視床下部におけるIKK-βとNF-κBの活性化が、老化過程を加速し、寿命を短くすることを明らかにした。代謝性炎症の仲介因子であるIKK-βとNF-κBを阻害すると、老化が遅れ、寿命が延長される。NF-κBを活性化すると、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が減少し、神経新生が抑制された。GnRHを投与すると、老化で減少していた神経新生が回復し、老化速度が遅くなった。これらの結果は、NF-κBを介したGnRHの抑制が、生殖を停止させて種の質を確保すると同時に、全身の老化を開始させる可能性を示唆している。

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    doi: 10.1038/nature12100 | 全文 | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature12143 | 全文 | PDF

  • mTORキナーゼの構造

    Nature 497 (2013年5月9日)

    mTOR(mammalian target of rapamycin)経路は、エネルギーや栄養、増殖因子などの環境シグナルに反応して起こる細胞増殖の重要な調節因子であり、がんや代謝性疾患ではこの経路の調節に誤りが生じている。今回、mTORキナーゼの結晶構造が初めて報告された。正の調節因子、あるいは小分子のATP拮抗阻害剤と結合したこの酵素の分解能3.2 Åでの結晶構造から、これが本来的に活性型のキナーゼであることが明らかになり、またラパマイシン–FKBP12複合体がキナーゼドメインへの基質供給を阻害する仕組みが説明される。

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    doi: 10.1038/nature12101 | 全文 | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature12122 | 全文 | PDF

  • 光子の量子もつれの実在性

    Nature 497 (2013年5月9日)

    いわゆるベル実験は、測定可能な現象の古典(「局所実在」)モデルと量子モデルを識別するのに使われる。実際には、これらの実験は、理想的でない実験条件から生じるさまざまなループホールの影響を受けやすく、実験結果が不確定になることがある。今回、ベル不等式の実験において高効率の光子対源と超伝導転移端センサーを用いて、もつれた光子に関する「公平な標本抽出」のループホールが閉じられた。その結果は局所実在性と矛盾し、一方でこの光子は、それぞれ別の実験で実証されたにしろ、主要なループホールのおのおのが閉じられた最初の物理系となる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature12012 | 全文 | PDF

  • スカーミオンがフェルミ液体挙動の破綻を引き起こす

    Nature 497 (2013年5月9日)

    伝導電子の挙動を記述するフェルミ液体論は、超伝導や強磁性を含む広範囲にわたる現象を説明できるため、固体物理学の最も成功した理論の1つとなっている。そして、フェルミ液体論が破綻する例について、基本的な関心が持たれている。そうした興味深い問題の1つが、最近広く知られるようになった種類の秩序化現象、すなわちトポロジカルに保護されたスピン配置からどのようにして非フェルミ液体の挙動が生じるのかというものである。今回、マンガンシリサイド(MnSi)のそうしたトポロジカルスピンテクスチャー、いわゆるスカーミオンが、圧力を高くしながら電子輸送測定を行うことで調べられた。その結果、スカーミオンが極めて安定であり、フェルミ液体的挙動の破綻を引き起こすことがわかった。

    Letter

    doi: 10.1038/nature12023 | 全文 | PDF

  • 海水準上昇におけるグリーンランドの役割を見直す

    Nature 497 (2013年5月9日)

    近年、グリーンランドの氷床からの氷の減少が劇的に加速したことから、暴走的な氷の減少とその結果起こる海水準上昇の可能性について懸念が生じている。今回F Nickたちは、氷塊分離や海面下での融解など氷と海の界面で起こる複雑な動態を考慮したモデルを用いて、グリーンランドで最大規模の4つの溢流氷河について、2200年までの氷の動きの動態をシミュレートした。その結果、幾度かの急激な後退があるものの、氷の減少の現在の加速率が持続する可能性は低いことがわかった。このことは、グリーンランドの氷床の海水準上昇への寄与が、以前の見積もりの上限値よりかなり小さくなる可能性が高いことを示唆している。

    Letter

    doi: 10.1038/nature12068 | 全文 | PDF

  • サイトカインが指示する幹細胞分化

    Nature 497 (2013年5月9日)

    感染や炎症の際に放出されるマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)などの細胞系譜特異的サイトカインは、細胞系譜の運命が拘束された前駆細胞からの成熟細胞の産生を強く促すことができるが、造血幹細胞の分化決定に直接影響を与えるかどうかについては議論が続いている。今回、M Siewekeたちは、M-CSFが、骨髄細胞系譜のマスター調節因子として知られるPU.1を直接誘導することにより、骨髄細胞系譜への運命を指示することを報告している。この機構によって、サイトカインは幹細胞に、その特定のストレスへの対処に合った細胞へ分化するように直接指示している可能性がある。この機構からはまた、病的状態あるいは移植条件下で幹細胞の運命を操作するための手がかりも得られるかもしれない。

    Letter

    doi: 10.1038/nature12026 | 全文 | PDF

  • 身元を隠す病原性細菌

    Nature 497 (2013年5月9日)

    細菌は、一連の低分子RNAを使って侵入してくるDNAを分解することで、プラスミドやファージ由来のありがたくない外来異物に対処している。これに関わる系はCRISPR/Casとして知られており、この他の機能もあるだろうと考えられてきた。今回、D Weissたちは、真核生物宿主の細胞に侵入できる病原菌のFrancisella novicidaが、宿主の自然免疫系に異物と見なされてしまう細菌自身のリポタンパク質の1つの産生を、CRISPR/Cas系を使って抑制することを明らかにしている。ナイセリアやカンピロバクターなどの他の科の病原体にも活性なCRISPR/Cas系が存在し、これらも同じような抗免疫機能を持つ可能性が考えられる。そうだとすると、この系は抗菌剤治療でこれまで使われたことがない新規標的となるかもしれない。

    Letter

    doi: 10.1038/nature12048 | 全文 | PDF

  • 死んだ細胞のシグナル伝達機能

    Nature 497 (2013年5月9日)

    アポトーシス細胞死は、発生の際、また骨格筋などの健康な組織での恒常性維持の際に起こる。アポトーシスにより死んだ細胞は有用な役割は果たしていないとこれまで考えられていたが、新たな研究で、この説に疑問が投げかけられている。K Ravichandranたちは、マウスの骨格筋の分化の際に筋前駆細胞の一部がアポトーシスを起こし、これらの細胞が、ホスファチジルセリンという重要なシグナルを出して筋肉の発生を促進することを明らかにした。体が、細胞死を単に不要な細胞を体から除去するためだけでなく、分化を調節するためにも使っているかもしれないというこの考え方は、組織内細胞の代謝回転の新たな一面を明らかにしている。

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    doi: 10.1038/nature12097 | 全文 | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature12135 | 全文 | PDF

  • 細菌の微量栄養素輸送体

    Nature 497 (2013年5月9日)

    ATP結合カセット(ABC)輸送体は、ATPの結合と加水分解のエネルギーを使って、基質の細胞膜を通過する輸送を行っている。今回、2つの論文で、最近見つかったABC輸送体スーパーファミリーに属する2つの輸送体、つまり原核生物でビタミンと微量栄養素の輸送に関わるエネルギー共役因子(ECF)輸送体のX線結晶構造が報告された。どちらの分子も、乳酸菌Lactobacillus brevis由来の輸送体である。P Zhangたちは葉酸ECF輸送体の、Y Shiたちはヒドロキシメチルピリミジンに特異的と考えられているECF輸送体の構造をそれぞれ解明している。これらの構造から、ECF輸送体の輸送サイクルの説得力のある作用機構モデルが示された。ECF輸送体のSタンパク質成分は哺乳類には対応する相同体が存在せず、しかもこの分子は基質との結合親和性が非常に高い。このことから考えると、このタンパク質は待ち望まれている新しい抗生物質の標的になる可能性があり、詳しく調べる価値がありそうだ。

    Letter

    doi: 10.1038/nature12045 | 全文 | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature12046 | 全文 | PDF

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