The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2017年7月21日 ~ 2017年8月20日

  • PTPN2の欠失が腫瘍抑制を高める

    Nature 547 (2017年7月27日)

    PD-1チェックポイント阻害などのがん免疫療法による治療は、少数の患者でしか効果が見られず、新しい治療戦略を研究する必要性が示唆されている。N Hainingたちは今回、マウスB16可移植腫瘍モデルにおいて、免疫チェックポイント阻害への応答に影響を及ぼす遺伝子を突き止めるためのCRISPR–Cas9系を用いた機能ゲノミクス手法について報告している。彼らは、腫瘍細胞でのホスファターゼPTPN2の機能喪失が、抗原提示や増殖抑制に対するインターフェロンγを介した効果を増強することを突き止めた。この知見は、PTPN2ががん免疫療法の有望な標的であり、腫瘍モデルでのin vivo遺伝学的スクリーニングが他の有望な標的を明らかにするのに役立つ可能性を示唆している。

    Article

    doi: 10.1038/nature23270 | 全文  | PDF

  • 非カノニカルなゲノムインプリンティング

    Nature 547 (2017年7月27日)

    哺乳類では、受精後の父系クロマチンと母系クロマチンのエピジェネティック特性は異なっているが、その後の発生の間に、インプリンティングされた遺伝子を除いて、大部分は均質化される。今回Y Zhangたちは、接合子と桑実胚で、親の対立遺伝子に特異的なクロマチン接近可能性をゲノム規模でプロファイリングし、それとともにDNAのメチル化とヒストンH3K27me3のパターンも解析した。その結果、H3K27me3は、ゲノムインプリンティングで母系対立遺伝子を抑制する、DNAメチル化に依存しない機構の1つであることが分かり、この非カノニカルな機構に依存してインプリンティングされる新しい遺伝子群が明らかになった。

    Article

    doi: 10.1038/nature23262 | 全文  | PDF

  • 脳ネットワークのコンピューター化で音声認識

    Nature 547 (2017年7月27日)

    神経形態学的コンピューティングでは、生物の脳の並外れた情報処理能力に着想を得て、画像やパターンの感覚信号としての認識といった、通常のコンピューターでは困難もしくはエネルギーを大量に消費してしまう特定の課題に取り組むための、人工のニューロンやシナプス、ネットワークの構築が試みられている。今回J Grollierたちは、ナノスケールの磁性体振動子を用いてニューロンの非線形振動のふるまいを模倣し、そうしたデバイスのネットワークの音声信号認識能力を調べた。この系は、標準データベースの5種類の声によって読み上げられた数字の音声を認識するよう訓練を受け、こうした音声を最先端の機械学習に匹敵する正確さで認識できるようになった。今回の結果は、チップベースの低電力脳型情報処理への新たな方向を開くものである。

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    doi: 10.1038/547407a | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature23011 | 全文  | PDF

  • 柔軟な抗生物質の構造を突き止める

    Nature 547 (2017年7月27日)

    分子は静止した化学構造体のように描かれることが多いが、当然ながらそれらは実際には異なる複数の立体配座をとる。柔軟な化合物の構造は、配座異性体の混合物のように見える可能性があるため、従来の手段で特定することはとりわけ困難である。長く柔軟な炭素鎖を持つポリケチド抗生物質であるバウラマイシンは、そうした例の1つである。この天然物は合成努力の目標となっているにもかかわらず、真の構造はよく分かっていない。今回V Aggarwalたちは、実験と計算による核磁気共鳴データの相関と目標化合物を合成する反復合成戦略に基づく手法によって、バウラマイシンの構造を解明している。この手法は、バウラマイシンの立体中心と構造の明確かつ正確な帰属を可能にし、そうした複雑で柔軟な他の系にも適用できる可能性がある。

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    doi: 10.1038/547410a | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23265 | 全文  | PDF

  • 生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となる

    Nature 547 (2017年7月27日)

    生物多様性の喪失を抑制するための世界的な取り組みでは、絶滅の脅威が最大であると考えられる人の手が加わった景観や分断化された景観に対し、ほぼ手付かずの景観と比べてどれだけ保全努力を集中させるべきかを考慮する必要がある。M Bettsたちは今回、種の分布域に関する国際自然保護連合(IUCN)のデータおよび森林被覆度に関するリモートセンシングデータを用いて、手付かずの景観から人の手が加わっている景観まで、さまざまな地域での森林破壊が、世界の脊椎動物1万9432種が直面する絶滅リスクに与える影響を評価している。予想どおり、森林破壊は、生物種が絶滅危惧種となる確率を大幅に上昇させることが分かった。しかしこの関係性は、比較的手付かずの景観では不釣り合いなほどに高かった。著者たちは、森林喪失が現在の速度を保ったまま今後30年間進行すると、ボルネオ島、アマゾン中央部およびコンゴ盆地では、121~219種の生物が絶滅危惧種になると推定している。今回の知見は、世界最後の原生地域に巨大な絶滅の波が押し寄せるのを防ぐには、手付かずの森林景観の劣化および喪失を抑制するための大規模な取り組みが必要であることを示唆している。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23285 | 全文  | PDF

  • シナプスが情景を設定する

    Nature 547 (2017年7月27日)

    視覚刺激処理にはニューロン間のさまざまな結合が必要であり、各ニューロンが符号化する特定の視覚特徴が統合されることによって1つの情景の全体的表現が形作られる。しかし、この結合の論理や、各ニューロンが視野のさまざまな部分に関してどのような情報を受けているのかは分かっていない。今回S Hoferたちは、マウス視覚野の個々のニューロンの樹状突起スパイン上に入る興奮性入力の構成をマッピングしている。視野中の近い位置で同様の視覚特徴を表現する入力は、隣接するスパインに密集する傾向が見られ、観察下のニューロンの受容野から離れている入力は、高次の樹状突起分枝上に位置していた。類似性がない受容野を持つニューロン間の結合は、それらの受容野が空間的に離れている時により多く見られた。こうした配置によって、我々の視覚空間の一般的な要素である特徴、つまり物の輪郭や長く伸びた明暗縁を強調するのに適した演算単位が出来上がる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23019 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23098 | 全文  | PDF

  • 脂質の分解が治療抵抗性をもたらす

    Nature 547 (2017年7月27日)

    がん細胞は生物学的に異なった状態をとることがあり、それが治療に対する抵抗性に影響し得る。間葉系表現型が薬剤抵抗性と関連付けられているが、その状態の基盤となる機構はよく分かっていない。今回S Schreiberたちは、間葉系表現型を持つ腫瘍細胞が、脂質代謝を変化させる酵素GPX4の阻害に対して、選択的に感受性を示すことを明らかにしている。GPX4は過酸化脂質を消失させ、その結果として、フェロトーシス細胞死を引き起こす鉄介在性反応を阻害する。これらの知見によって、間葉系状態への転換を起こして他の治療薬の作用を免れるようになったがんを標的とする新たな観点が示された。

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    doi: 10.1038/nature23007 | 全文  | PDF

  • 放射線曝露の副次的影響についての分子レベルの手掛かり

    Nature 547 (2017年7月27日)

    がんの放射線治療では、照射された細胞や組織が因子を放出し、放射線に曝露されていない他の組織や細胞に影響を及ぼすという副作用が起こり得る。この概念は放射線誘発バイスタンダー効果(RIBE)として知られており、よく調べられているが、その分子メディエーターについてはあまり明らかになっていない。今回D Xueたちは、線虫での研究で、システインプロテアーゼであるカテプシンB(CPR-4)が、RIBE因子の1つであることを報告している。また彼らは、動物が紫外線やイオン化放射線への曝露に対する応答としてCPR-4を分泌した後に、CPR-4がどのように作用するかについての手掛かりも示している。このタンパク質は、腫瘍抑制タンパク質p53のホモログによって調節される機構を介して、動物個体の非曝露部位での細胞死を抑制したり胚性致死を増加をさせたりするようだ。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23284 | 全文  | PDF

  • カンナビノイド受容体の構造

    Nature 547 (2017年7月27日)

    ヒトのカンナビノイド受容体1(CB1)は、大麻(Cannabis sativa)中の重要な精神活性化合物である植物カンナビノイド、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の主要な標的である。CB1は内在性カンナビノイドにより活性化され、疼痛管理やてんかん、肥満などの治療に使われる標的だが、その活性型受容体の構造はまだ得られていなかった。今回、Z Liuたちは、2種類の強力なΔ9-THC誘導体であるAM11542とAM841によって活性化されたCB1の結晶構造を報告している。これらのアゴニストは共に、そのアルキル鎖上にgem-ジメチル基があり、そのために用量効果や最大効力が顕著に向上している。受容体活性化の際には、細胞外側と細胞質側の両方で大規模な構造再編成が起こり、結合ポケットのサイズが大幅に縮小することが分かった。このようなコンホメーション変化では、2つの重要な残基が活性化の際に相乗的な動きをして新規な「分子版のツイントグルスイッチ」のように働き、構造を切り替えることも明らかになった。著者たちはこうした切り替え様式が他のGタンパク質共役受容体にも共通して存在するのではないかと考えている。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23272 | 全文  | PDF

  • 類人猿の祖先の進化

    Nature 548 (2017年8月10日)

    中新世(2300万~530万年前)の地球は「猿の惑星」であり、30以上の属の、40以上の種の類人猿が存在していた。しかし、完全な頭蓋の証拠から得られた知見は極めて少なく、顔および口蓋以外の頭蓋要素から知られている種はわずかであり、ヒト族および現生類人猿の直接的な近縁種の頭蓋の状態に関する情報は限られている。こうした情報の欠如はアフリカで特に顕著で、1400万~1000万年前の頭蓋標本は1つも知られていない。I Nengoたちは今回、ケニアで出土した類人猿の幼体の頭蓋について報告している。この標本は1300万年前のもので、ニャンザピテクス属(Nyanzapithecus)の新種とされた。今回の証拠からは、この類人猿にはテナガザル類との類似点が若干認められるが、こうした類似性は収斂によるものである可能性が高いこと、また、この新種が現生類人猿の共通祖先の近縁種であることが示された。

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    doi: 10.1038/548160a | 全文  | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature23456 | 全文  | PDF

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