Nature ハイライト

構造生物学:クラスBのGPCR群で見られるバイアス型作用の基盤

Nature 555, 7694

GLP-1受容体(GLP-1R;glucagon-like peptide 1 receptor)は2型糖尿病や肥満の治療における重要な標的の1つである。最近、バイアス型アゴニスト、つまり1つのシグナル伝達経路を選んで主に活性化する作用を持つリガンド群が次々と見つかっている。そのうちの1つであるexendin-P5は、Gタンパク質シグナル伝達に選択的に作用して脂肪細胞の生成を増やし、高血糖症の治療に他のアゴニストより高い効果を発揮する。P Sextonたちは今回、exendin-P5およびGタンパク質ヘテロ三量体と複合体を形成したヒトGLP-1Rについて、クライオ(極低温)電子顕微鏡法によって得られた構造を報告している。この研究は、受容体の形成する複合体とその活性化についてより詳細な構造情報を明らかにしただけでなく、バイアスがかかった活性化作用の基盤を、リガンドとGタンパク質の両方との相互作用に基づいて提案している。

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