Nature ハイライト

Cover Story:ふぞろいな成長:高分解能マップで浮き彫りになった、アフリカ全土に広がる教育と小児期の栄養状態における不均等

Nature 555, 7694

国連の「持続可能な開発目標」の達成を目的とするプログラムには、データに基づく情報が必要である。今週号の2本の論文でS Hayたちは、アフリカの51か国から得られた人的資本の2つの重要な要素である小児の成長障害と教育の不均等について、詳細な描像を示す地理空間マップを提示している。著者たちは、大陸全体の数千の村から得られた調査データと国勢データを用いて、成人の教育達成、小児の年齢、身長、体重に関する情報を集めた。次に彼らは、ベイズモデリングを用いて、こうしたデータを、局所地形や局地気候などの要因と組み合わせて、情報の少ない地域に外挿した。その結果、教育達成と小児の成長障害の2000~2015年の変化を5 km × 5 kmの分解能で示す一連のマップが得られた。ほとんど全ての国において改善が見られた地域がいくらか存在したものの、2030年までに栄養不良を終結させるという持続可能な開発目標を達成する軌道に乗っている国はこの大陸に1つもなく、教育における男女不均等は多くの地域で根強く残っていると、著者たちは結論付けている。

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