Nature ハイライト

植物科学:ストリゴラクトン受容体は加水分解酵素としての役割も持つ

Nature 536, 7617

長年の生物学的研究により、ホルモンが機能する仕組みについての有力な考え方がつくりあげられてきた。つまり、活性なホルモンが受容体に結合してシグナル伝達を引き起こし、その後にホルモン分子は変化せずに放出されるという考え方である。ここに、ホルモンと受容体の相互作用と、基質と酵素の相互作用との違いがある。今回D Xieたちは、植物の分枝ホルモンのストリゴラクトンの合成アナログとその受容体の複合体(D14–D3–ASK1)の結晶構造を得て、リガンド–受容体相互作用の珍しい機構を明らかにした。D14はストリゴラクトンを加水分解して共有結合する中間分子に変えることが分かったのである。この中間産物は、D14のコンホメーション変化を開始させることで、D3との相互作用を促進し、D14の受容体機能をアロステックに活性化する。このデータはD14の受容体機能と酵素活性は分離できるという証拠になる。

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