Nature ハイライト

Cover Story:特集:次の世代のために:我々は後世にどのような世界を手渡すことになるのか

Nature 530, 7591

今週号のNatureの特集では、今日の科学者たちは判断を下す際に未来の世界のことまで考慮しているのかどうかを検討し、なぜそこまで考えるべきかについて論証している。科学技術の専門家たちは、未来の世界は現在のそれとは根本的に異なるものになるだろうと述べている(p.398)。そして、未来の世界は住人さえも現在の我々とは異なったものになりそうだ(p.402)。一方で、科学者たちは、他の全ての人々と同様に、自分たちが死んだ後の世界がどのようになるかをもっと気に掛けることが難しいのに気付いている。経済学者のNicholas Sternが警告しているように、現在の気候経済学モデルは暗黙のうちに、未来の生活は現在の生活ほど重要でないと決めてかかっている。これは、現在の、成り行きのままにされている気候変動が未来の生活に重大な影響を及ぼすようになるならば、大きな問題となる(p.407)。社会科学では、我々の他者を思いやる傾向間での相克が明かにされているが、現世での利益はなお依然として、未来世界のそれよりも優先されている。行動経済学者のErnst FehrとHelga Fehr-Dudaは、これらの進化した行動をうまく扱って持続可能な発展をもたらすための政策や構想を設計することを求めている(p.413)。さらに人口動態学の権威でポピュレーションカウンシル(米国)の副議長であるJohn Bongaartsは、我々が未来の世代のために今実行できそうな最善の策は、将来の人口を減らすことだと提案している(p.409)。(Introduction

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