Nature ハイライト

免疫学:広範囲反応性の抗マラリア抗体

Nature 529, 7584

今回、ケニアのキリフィ県でマラリアが風土病となっている地域の住民2人から単離されたモノクローナル抗体群が、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の抗原に対して広範囲反応性を示すことが報告された。この抗体群は、第19染色体にコードされる免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリー抑制性受容体の1つであるLAIR1に由来するIg様ドメインの大きな挿入があるという珍しい特徴を持っている。これらの抗体は、マラリア原虫の表面にある多型性の表面抗原に結合し、この結合は挿入部分に生じた変異に依存して起こる。これらの知見は、抗体多様化のこれまで知られていなかった機序を解明したのに加えて、マラリアワクチン開発の際の適切な標的候補となる可能性のある保存されたエピトープの存在を明らかにしている。

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