Nature ハイライト

Cover Story:超高圧下の水素分子:長らく探し求められてきた金属原子状態の水素に迫る

Nature 529, 7584

1対のダイヤモンド単結晶からなる対向アンビル装置を用いた、水素分子の圧縮(イメージ画像)。誘電性の分子状態(左上)が加圧によって金属原子状態(右下)へと変態する。
1対のダイヤモンド単結晶からなる対向アンビル装置を用いた、水素分子の圧縮(イメージ画像)。誘電性の分子状態(左上)が加圧によって金属原子状態(右下)へと変態する。 | 拡大する

Credit: Philip Dalladay-Simpson and Eugene Gregoryanz

表紙イラストは、圧力を加えられた水素分子が、中程度に圧縮された誘電性の分子状態(透明な分子)から、高い圧力によって誘起されると考えられている金属化をする(金属原子になる)までを描いたもの。超高圧下では水素分子は壊れ、金属原子状態になると予測されている。そのような状態はまだ実現されていないが、今回エディンバラ大学(英国)の研究チームが報告した新しい結果は、この目標に近づくものである。研究チームは、水素分子と重水素化水素分子を、350万気圧を上回る圧力にまで加圧して、長い間求められていた非分子相の前駆状態と考えられる新しい状態について、興味をそそられる手掛かりを得ている。

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