Nature ハイライト

分子生物学:Ribo-Tが新しい合成経路に道を開く

Nature 524, 7563

大小2つのサブユニットをつないだ人工リボソーム、Ribo-Tが作製された。この複合体によって、タンパク質の合成に、サブユニット同士の会合・脱会合が必要でないことが示された。
大小2つのサブユニットをつないだ人工リボソーム、Ribo-Tが作製された。この複合体によって、タンパク質の合成に、サブユニット同士の会合・脱会合が必要でないことが示された。 | 拡大する

Credit: Erik Carlson

リボソームは2個のサブユニットで構成され、それぞれに1本の長いリボソームRNA(rRNA)が含まれ、そこに数十種類のタンパク質が集合している。翻訳開始シグナル上に1個のサブユニットが結合すると、完全なリボソームが組み立てられる。リボソームがメッセンジャーRNA(mRNA)上を移動するにつれ、2個のサブユニットが段階的に少しずつ動き、tRNAと新生ペプチド鎖が複合体中を動いていく。今回、ハイブリッドrRNAを作ることによって、サブユニット同士を連結したリボソームが作製された。Ribo-Tと名付けられたこの新しい複合体は、in vivoでの実験で、野生型リボソームがなくても細胞を増殖させる力を持ち、また、完全な直交性を持つリボソーム–mRNA系の確立にも利用できる。

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