Nature ハイライト

医学:切り貼りで作られるタンパク質

Nature 427, 6971

ヒト細胞の中には、切り貼りを行って新しいタンパク質を作り出すものがある。この発見からすると、ヒトの体は、これまで考えられていた以上に幅広い種類のタンパク質を作ることができるのかもしれない。 K Hanadaたちの報告によれば、FGF-5というヒトのタンパク質は正確に切断されてばらばらにされた後、「スプライシング」を受けて再びつなぎ合わされ、新しいタンパク質となる。この予想外の発見は、癌細胞を標的として破壊する免疫系細胞の研究から生まれた。今回使われた癌細胞は腎細胞癌由来で、短いFGF-5ペプチドを過剰に発現する。 この現象は、タンパク質の前駆体であるRNAが再編成を受けるRNAスプライシングによく似ている。違っているのは、タンパク質がつくられた後でつなぎ変えが起こるという点である。 「これに似たタンパク質のつぎはぎは、以前に単細胞生物や一部の植物で観察されている」と、H-G RammenseeがNews and Viewsで述べている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度