Nature ハイライト

分子生物学:遺伝子調節を助けるリボソームの選択性

Nature 517, 7532

リボソームは全てが同一に作られているわけではない。最近の研究で、多様なリボソームタンパク質がリボソームに特異性をもたらし、特定の転写産物のみを翻訳できるようにリボソームを特化させている可能性が明らかになってきた。M Barnaたちは今回、Hox遺伝子の5′非翻訳領域のRNA塩基配列研究から、このリボソームの特異性の基盤を解明する手掛かりを得た。転写開始点付近の特定のIRES(internal ribosome entry site)様エレメントが、大型のリボソームタンパク質RPL38を含むリボソームの動員を促すことを見いだしたのである。また、このmRNA群はキャップに依存する標準的な翻訳様式を阻害するエレメントを含んでおり、著者たちはこれをTIE(translation inhibitory element)と名付けた。この2つに分かれた翻訳調節機構によって、重要な発生事象中には特化したリボソームによる制御が行われているらしい。

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