Nature ハイライト

生物物理:タンパク質折りたたみの動態を記述する

Nature 502, 7473

溶液中の化学反応の速度論的性質は、ヘンリク・クラマースが1940年代に考案した理論によって最もうまく記述される。この理論は、アインシュタインのブラウン運動の研究と速度理論とを関係付けたものである。だが、小型分子に関するクラマースの理論によって予測されたパラメーターを測定することは、これまで不可能だった。今回、H ChungとW Eatonは、タンパク質の折りたたみの過程で単一分子から放出される光子を測定し、内部摩擦がクラマース拡散係数に大きな影響を及ぼすことを見いだした。今回のタンパク質の折りたたみについての遷移経路時間の測定は、クラマースの拡散係数と自由エネルギー障壁の高さの特性を、全く初めて明らかにしたものである。

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