Nature ハイライト

神経科学:場所細胞は航路決定の記憶を保持する

Nature 497, 7447

脳の海馬領域は、ヒトの航路決定に記憶成分を提供する重要な役割を担っている。海馬の場所細胞は、ある運動を完了した後に、同じ順序の発火を時間的に圧縮して行って直前の航路軌跡を「再生」し、これにより航路軌跡を符号化することが以前から知られている。そして、これと同様の順序立って起こる発火が、航路決定の選択をする前の計画過程でも起こっているのではないかと考えられてきた。今回B PfeifferとD Fosterは、開放空間にある多数の餌置き場の中からラットが1つを選んで進んでいく際に、航路決定に先立って場所細胞で空間的軌跡に対応する発火が順序立って起こることを明らかにした。観察された順序立って起こる発火は、その後に起こす行動を予告しており、この結果はゴールに向かう航路選択機構を裏付けるように見える。

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