Nature ハイライト

流体力学:非圧縮性の破れ

Nature 443, 7110

気体や液体の流れを長年にわたって首尾よく説明してきた流体力学には重要な仮定があり、流体は非圧縮性であると見なされている。このことは、流速が音速に近づくまでは、ほとんどの系に当てはまると思われていた。しかし今回、粘性の密度依存性を考慮に入れると、単純な剪断流であっても非圧縮性状態が破られることがあるのが示された。この結果は、金属ガラスや地球のマントルといった非常に粘性の高い液体にみられるシアバンド形成効果などの、低レイノルズ数における液体の力学的不安定性に関するさまざまな現象の解明に役立つかもしれない。

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