Nature ハイライト

物性:有望な二酸化バナジウムトランジスタ

Nature 487, 7408

標準的なトランジスタは、デバイス材料の表面付近にあるナノメートル程度の厚さの伝導チャネルの電気伝導度を外部電圧で制御することによって動作する。今回、デバイス全体の電子物性を電場で制御する、概念的に新しいタイプのトランジスタが報告された。このようなトランジスタの開発は、シリコンの代わりに二酸化バナジウムという強相関物質を用いることによって可能になった。室温でたった1 Vの電圧をかけることによって、巨視的スケールで二酸化バナジウムを絶縁状態から金属基底状態にスイッチングできるのに加えて、不揮発性メモリー効果も得られる。このため、電気信号の遠隔伝送や電圧で調節できる光スイッチングなどの実用的な用途向けに大いに関心を集めそうだ。

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