Nature ハイライト

代謝:代謝の時計を合わせる

Nature 485, 7396

疾患を予防するためには、代謝過程が時計のように規則正しく機能することが必要である。こういうリズムを進めるのはコア時計タンパク質であり、時計遺伝子の発現調節には、核内受容体であるREV-ERB-αとREV-ERB-βが中心的な役割を果たしている。 Soltたちは、強力な合成REV-ERBアゴニストを発見し、SR9011およびSR9009と命名したことを報告している。この2つの物質は、マウス視床下部でのコア時計遺伝子の概日発現を変化させることができる。これはまた、肝臓、骨格筋、および脂肪組織の代謝遺伝子の発現も変化させ、結果としてマウスのエネルギー消費量を増加させることがわかった。このREV-ERBアゴニストは、食餌誘導性肥満マウスの脂肪量を減少させ、脂質異常症や高血糖を改善する。こうした結果から、合成REV-ERBリガンドは代謝疾患の有望な治療薬候補となりそうだ。一方、Choたちは、REV-ERB-αとREV-ERB-βが概日リズムと代謝の協調に不可欠であることを示す遺伝学的証拠を示している。REV-ERBを持たないマウスは、時計遺伝子の発現と脂質恒常性にかかわる遺伝子ネットワークの発現に異常が生じる。このようなマウスでは、概日周期で行う回転輪走行行動が変化し、脂質代謝の調節に異常が生じた。こうしたデータは、REV-ERB-αおよびREV-ERB-βを、PERやCRYなどの概日発現を駆動する主要なフィードバックループの要素と結びつけるものである。

2012年5月3日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度