Nature ハイライト

物理:解明された蛍光の明滅機構

Nature 479, 7372

蛍光の間欠性、すなわちオン・オフ状態の間で明滅する現象は、有機色素や生体分子のような自然界に存在する蛍光体と、カーボンナノチューブや半導体ナノ結晶量子ドットなどの人工的なナノ構造の両方で観察されている。量子ドットとしても知られる半導体ナノ結晶でのフォトルミネセンスの明滅の起源について、一般に考えられているのは、電荷の分離からオフ状態が生じるというオージェ(A型)機構だが、最近の観察結果によって、この説明に疑問が持たれるようになった。そして今回、こうした論争の解決を試みた研究が報告された。Gallandたちは、励起電子、つまり熱い電子が、発光性のコアへと放出される前に一時的に殻中に捕獲されるという2番目の機構(B型と命名)について述べており、印加電位や殻の厚さなどのさまざまなパラメーターの制御によって、明滅の頻度を制御したり、あるいは完全に抑制したりできることが報告されている。

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