Nature ハイライト

生化学:血栓形成を促進する「適応性のある結合」

Nature 466, 7309

フォンビルブラント因子と血小板表面の糖タンパク質Ibαとの結合は、血小板の架橋につながるため、血液凝固における重要な因子となっている。Kimたちは、結合と解離過程を測定するために、受容体とリガンドを共に単一の分子に結びつけるという新たな手法を使って、今まで知られていなかった結合挙動を見いだした。受容体とリガンドの結合には、2つの異なる状態が存在する。1つは張力が低い場合にみられるが、もう1つは張力が高くなったときに出現し、こちらは力に対して結合をより安定なものにする。負荷が増すにつれて結合の寿命が延長する「捕獲結合(catch-bond)」ではなく、負荷が増すにつれて結合の寿命が短縮する「すべり結合(slip-bond)」の2つの集団間で切り替えが起こる「適応性をもつ結合」の発見は、フォンビルブラント因子に結合した血小板が張力に抵抗性をもつようになる仕組みや、流速上昇が血小板の血栓形成を活性化する機構の解明にかかわってくる。

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