Nature ハイライト

物性:個々の原子のスピンパターンを制御する

Nature 471, 7338

個々の原子のスピンを新しいレベルで制御できることが実証された。これは、光格子中の強相関量子系でのコヒーレントなスピン操作を、単一原子および単一格子サイトの分解能で初めて実現したものだ。光格子中の極低温原子を使えば、量子多体系の基本特性を調べる汎用的手段が得られる。今回は、レーザービームとマイクロ波場を使って、光格子の特定サイトに存在する個々の原子のスピンを反転させるという最も基本的なレベルの制御が実証された。この手法を用いれば、エントロピー輸送やスピン不純物の量子ダイナミクスに関する研究、新規冷却方式の実現、量子多体相の設計やさまざまな量子情報処理への応用が可能になるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度