Nature ハイライト

工学:GaAs半導体膜の新しい製造法

Nature 465, 7296

ガリウムヒ素のような化合物半導体は、光発電や光エレクトロニクスへの応用でシリコンを相当に上回る性能を示す。しかし、太陽電池、暗視カメラ、ワイヤレス通信システムなどのデバイスに化合物半導体を使用するには、高品質大面積層を成長させてそれらをフレキシブル基板や透明基板に転写するという費用のかかる工程が必要であり、その性能はこのような欠点を補って余りあるものではない。今回、J Rogersたちは、こういう欠点を解消する新しい製造方法を実証している。この方法では、1回の蒸着工程でGaAs膜とAlGaAs膜を成長させて厚い多層集合体を作製した後、個々の層をはがして別の基板に転写する。ガラス上の電界効果トランジスターや、プラスチックシート上の光起電モジュールなどのGaAsデバイスが作製されており、実例によって、この方法を大面積に応用する技術的可能性がはっきり示されている。

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