Nature ハイライト

化学：水から水素を作る

2010年4月29日 Nature 464, 7293

水素は、クリーンで持続可能な燃料の候補として魅力的である。このため、水から大量の水素ガスを生成できる、安価で効率のよい触媒の探索が続けられている。従来、そのような触媒は、金属中心でH–H結合が形成され、長期安定性が乏しかった。しかし、今回Karunadasaたちは、還元された金属オキソユニットでもこの化学反応が起こり、良好な長期安定性、不純物に対する耐性、体積当たりでヒドロゲナーゼ酵素に匹敵する回転率が得られることを示している。この新触媒は、モリブデンオキソ錯体で、酸や有機共溶媒を加えなくても活性である。