Nature ハイライト

免疫:エイズワクチンの見直し

Nature 457, 7225

近年のエイズワクチン開発の失敗は、エイズワクチン全体について大規模な再評価を促すことになった。そこで問われた問題の1つが、T細胞によるHIV-1ワクチン開発を継続すべきがどうかというものである。だが今回、サル免疫不全ウイルス(SIV)を攻撃接種したサルを使って新たなワクチンに関する研究が行われ、T細胞を用いた方法はまだ見込みがあるらしいことが示唆された。このワクチンは、SIVのGagタンパク質を発現する2種類のアデノウイルスベクター(rAd26を初回免疫に、rAd5を追加免疫に用いる)を用いて作製されたもので、強力なT細胞免疫応答を引き起こし、感染をある程度防止した。これらの研究結果は、HIV-1に対する新世代のT細胞ワクチン候補の設計の方向性を示すものといえる。

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