Nature ハイライト 医学:ALKが神経芽細胞腫を引き起こす 2008年10月16日 Nature 455, 7215 神経芽細胞腫は、最もよくみられる小児がんである。この疾患は家族歴と強く関連するため、発症には遺伝的要因が関与することが30年以上前から予測されていた。今週号では、神経芽細胞腫患者では受容体型チロシンキナーゼALK(anaplastic lymphoma kinase)に変異が生じていることを、4つのグループが報告している。ALKは神経芽細胞腫の素因遺伝子の役割を果たしており、散発性の神経芽細胞腫では体細胞に点突然変異が生じている。この変異は、in vivoでALKのキナーゼ活性を促進し、細胞を形質転換させ、腫瘍化活性がみられるようになる。ALK阻害剤は神経芽細胞腫の細胞増殖を抑制するため、抗がん剤となる可能性がある。 2008年10月16日号の Nature ハイライト 進化:四肢動物に至る「点と線」 医学:ALKが神経芽細胞腫を引き起こす 宇宙:観測され始めた遠方の電波ハロー 物性:高温超伝導体が示す金属の性質 工学:ボトムアップ式で回路を作る 地球:始生代のマントルは高温だったらしい 進化:1人よりペアで協力したほうが得 細胞:スプライシングで大違い 目次へ戻る