Nature ハイライト

地球:北極は氷に覆われていなかった

Nature 448, 7156

最近まで北半球氷床の成立は1,100万年前から500万年前の間に始まったと考えられてきたが、全球の氷床量の推定値が4,160万年前に南極の許容量を超過することなどの矛盾する証拠があるため、この説には疑問が投げかけられている。Edgarたちは、その時期に両半球に大きな氷床が存在していたという仮説を、赤道大西洋で得られた海底堆積物の記録を用いて検証した。彼らが求めた氷床量の推定値は、容易に南極に収まるものであり、北半球には大きな氷床が存在していなかったことを示している。この発見は、南極と北極では大陸と海洋の分布状況が異なっているために、北半球よりも南半球の方が先に大陸氷河作用の閾値を超えたことを示唆する気候モデルシミュレーションを支持している。

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